韓国からの宿泊客をもてなす韓国人スタッフ。施設案内も韓国語や中国語に対応している=嬉野市の和楽園

 佐賀県内を訪れる外国人旅行者が急増している。2017年に県内のホテルや旅館に泊まった外国人の延べ人数は9月末で27万人を突破し、過去最高を更新。格安航空会社(LCC)の佐賀空港就航を追い風に、16年の延べ宿泊数(約24万6千人)を既に上回った。韓国を中心に台湾や中国などから温泉や食事を楽しむ個人客が増えており、県内の宿泊施設では外国人スタッフを配置するなどサービス向上に力を入れている。

 今月14日、露天風呂付きの客室を備え、外国人にも人気の温泉旅館「和楽園」(嬉野市)。カラフルなレンタル浴衣を着た韓国人のカップルや家族連れがスマートフォンで記念撮影を楽しんでいた。

 韓国からLCCで来日、妻と2人で大分、佐賀を観光中の男性(62)は「温泉とお茶が目当て。韓国から近く、別府(大分県)より宿泊料金も安い」。嬉野温泉は韓国のテレビ番組などで「日本三大美肌の湯」として紹介され、「日本の温泉地の中でも人気が高まっている」という。

 和楽園では、友人のブログを見て宿泊する訪日客も増えており、この日は平日にもかかわらず、9組の韓国人旅行者が宿泊した。

 観光庁などによると、17年に県内で宿泊した外国人延べ人数は9月末までで前年同期比63・8%増の27万8970人。宿泊地は嬉野や武雄、唐津、佐賀市が中心で、日本人を含む宿泊客全体の12・3%を占める。全体の延べ人数は2・3%増で、日本人の旅行需要が落ち込む中、外国人客が数字を押し上げている現状がうかがえる。

 佐賀空港の直行便数が増加したLCCのティーウェイ航空(韓国)や春秋航空(中国)の利用増などが要因とみられ、17年はすべての月で前年実績を上回るペースで推移。9月の外国人延べ宿泊者数は3万180人と全国で24番目に多く、地域別では韓国45%、台湾26%、中国14%、香港11%と続いた。

 訪日客の増加を受け、嬉野市内の温泉宿では、韓国語や中国語の館内地図や入浴説明書を配布。和楽園のほか、佐賀市内の観光ホテルでは韓国人スタッフをフロントに配置するなど、接客に力を入れる施設が増えている。

 中国の団体客による「爆買い」は沈静化する一方、「パック旅行では飽き足らず、地方の温泉や郷土料理を楽しみたいという個人旅行者が徐々に増えている」と県観光連盟。韓国の旅行会社と連携したツアー企画などでリピーターの取り込みを狙う。

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