アスベスト(石綿)で健康被害を招いたとして、鳥栖市のアスベスト製品の工場で働いていた人や遺族が国に損害賠償を求めている訴訟で、新たに元労働者の遺族4人が19日、国に1430万円の損害賠償を求めて佐賀地裁に提訴した。厚生労働省が賠償金支払いにつながる和解手続きを促す通知をしており、通知を受けた提訴は九州では初。

 弁護団によると、元労働者は2000年に肺がんで死亡した福岡県の男性で、1952年から79年まで機械の維持管理などに従事した。今回の提訴は第5次で、原告は計76人。うち38人は計約1億7450万円の和解が成立している。

 アスベスト訴訟を巡っては、国の賠償責任を認めた「大阪泉南アスベスト訴訟」の2014年の最高裁判決を受け、国が元労働者らを救済する方針を決めた。最高裁判決から3年となる今年10月上旬から、和解の可能性がある元労働者や遺族に、要件を記したリーフレットを送付している。

 弁護団は被害を掘り起こそうと、21、22の両日、午前10時から午後7時まで電話相談=電話0120(117)554=を実施し、22日は鳥栖市の芯鋭法律事務所で相談会も開く。伊黒忠昭弁護団長は「石綿被害は業種を問わず受けている可能性がある。見逃してきた被害を認識する機会にしてほしい」と話す。

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