事業承継に向けて県内の経済5団体が開いた研修会=佐賀市のロイヤルチェスター佐賀

 少子高齢化を背景に、中小・零細企業の経営を受け継ぐ後継者不足が課題になっている。帝国データバンクの調査(2017年)によると、佐賀県内で後継者不在の企業は前年比1・9ポイント増の41・5%。経営者の年齢が若い企業で割合が高くなっており、県商工会青年部連合会など若手経営者でつくる経済5団体は合同で研修会を開き、計画的な事業承継に向けて対応を考えた。

研修会は11日に開かれ、企業経営者ら約100人が集まった。中小企業診断士の奥山慎次さんが「事業承継の重要性」をテーマに講演。休廃業や解散した企業のうち、黒字の企業が約半数に上るとの国の統計を示し、「経営状況が良くても、後継者不在でやめざるを得ない会社が増えている」と説明した。

 事業承継が遅れた場合、経営者になるための教育や株式購入に向けた資金調達の期間が短くなると課題を挙げた。後継者の年齢が上がるほど挑戦意欲が低下し、若い世代の顧客獲得も難しくなるとして「経営者になるためのキャリア形成には5年は必要。後継者が30代の頃から事業承継の準備を進めて」と助言した。

 帝国データバンクの調査は、九州・沖縄に本社を置く3万2200社が対象。県内は1847社が回答し、このうち767社が「後継者がいない」と答えた。

 九州・沖縄全体の後継者不在率は60・7%。不動産やサービス、建設、小売、運輸・通信で6割を超え、売り上げ規模別では1億円未満が73・1%と中小・零細企業が大半を占めた。経営者の年代別でみると、40代以下の企業で8割に上った。

 佐賀県内企業の後継者不在率は全国で最も低かったものの、帝国データバンク福岡支店は「本命の後継者が見つからず、代わりに配偶者が事業を受け継いでいるケースも多い。実態はさらに高い可能性がある」と指摘。同族企業の場合、利害関係が複雑になり、親族以外への承継の障害になるとし「専門家の意見を取り入れ、実行性の高い計画を立てて準備を進める必要がある」としている。

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