JA佐賀中央会会長とJA全中副会長に就任した金原壽秀氏(手前)の祝賀会に駆け付け、握手を交わす山口祥義知事=11月4日、佐賀市内のホテル

 佐賀県の山口祥義知事(52)は任期が残り1年余りとなった。前知事の辞職に伴う前回の知事選は年をまたぐ選挙戦だったが、次回は来年12月実施が有力視されている。山口知事は2期目への態度を明確にしていないものの、周囲は再選出馬濃厚とみる。保守分裂となった前回と変わって、自民党に候補擁立の動きはなく、共産党が対抗馬の検討を進めている。ただ、国政課題への対応次第では構図が動く可能性もある。

 「皆さんと一緒にやったという強い思いは、一時も忘れないようにやっている」。11月4日、JA佐賀中央会会長で全中副会長の金原壽秀氏の就任祝賀会。約100人を前にあいさつした山口知事は、農業関係者への感謝、配慮をみせた。

 山口知事は2015年1月、古川康前知事の衆院選出馬に伴う知事選で新人4人の激戦を制し、初当選した。対立候補の前武雄市長を自民党本部が強力にバックアップしたのに対し、告示直前に名乗りを上げた山口氏には、市町の首長や与野党の県議らが協力する「中央対佐賀」の構図。農協の政治団体・県農政協議会は山口氏支持で動き、大逆転に貢献した経緯がある。

 「本人は出馬を明言していないが、支援者としては『次も』という思いは強い」と知事の後援会幹部。この3年で15市町に後援会を設立、未整備の市町にも働き掛けて全県的な態勢をつくり、来年2月ごろには選挙準備を始めたい考えだ。

 佐賀新聞社が11月に実施した世論調査では支持率が7割を超え、就任以降2年連続で上昇した。ある野党県議は「話題づくりや親しみやすい人柄に好感が持たれている。目立った失敗もなく、対立候補は厳しい戦いになる」と予想する。

 山口知事は11月20日の定例会見で2期目について「まだ種を植えたことが、苗代に移ったという事業も多い。しっかり育てなければならない」と意欲をにじませつつ、明言は避けた。

 前回知事選は14年12月25日告示―15年1月11日投開票の「年またぎ選挙」だった。次期選挙は任期満了日(19年1月10日)前日の30日以内に実施されるため、想定の投開票日は18年12月16、23、30日、19年1月6日。年末年始を避ければ「11月29日告示―12月16日投開票」「12月6日告示―23日投開票」が有力となる。

 山口知事が立候補し12月選挙になれば、日程が重なる定例県議会は前倒しの必要が生じる。「議会に議案を提出する本人がいないわけにはいかない」と県幹部。「年度当初から現職出馬も念頭に補正予算などのスケジュールを立てることになる」と見通す。

 候補擁立を巡り、共産を除く県内の各政党は「まだ議論はしていない」と口をそろえる。前回分裂した自民県連の幹部は「全くの白紙。現職を支持する議員は多いが、積み残しの国政課題があり、そこを見て対応する」と含みを持たせる。佐賀空港へのオスプレイ配備計画に関し、自民県議の一人は「県政のトップとして重要案件を判断しないまま出馬表明すれば、自分勝手と批判を受ける」とけん制する。

 共産党県委員会の今田真人委員長は、山口知事について「『佐賀のことは佐賀で決める』と言っていたが徐々に政府寄りになり、スタンスがはっきりしない」と批判。「応援することにはならない」と明言し、擁立を模索する。

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