昨年4月に起きた熊本地震の復興工事に関わった下請け業者に代金が支払われないケースが相次いでいる。熊本県などに寄せられた相談は90件近く。人手不足に伴う多重下請けの構造が背景とみられ、県は業界への指導に乗り出した。

 国土交通省九州地方整備局や県によると、被災家屋の公費解体や土木工事などの未払いの相談は昨年度に少なくとも20件、本年度は11月末までに68件あった。

 11月末までに申請があった公費解体は約3万6千棟に上ったが、2千棟以上が残り、自治体発注の土木工事も9月末時点で7千件以上が済んでいない。県などによると、人手不足が常態化し、他の業者に人繰りを頼むなどして多重下請けが多くなっているという。建設業の許可を取りながら実態がない業者が参入しているとの指摘もある。

 関西のある業者は今年7月から9月にかけて、熊本県南阿蘇村の病院の公費解体工事で5次下請けに入ったが、支払期日の10月末を過ぎても代金が払われず、原因となっている大阪の3次下請けの会社とは連絡が取れなくなった。

 労働問題に詳しい東洋大法学部の鎌田耕一教授は「請負代金や支払期日を明示した書面契約が建設業法で定められているが、口約束であいまいになっているケースもある」と指摘する。

 このような状況に、2次以下の下請け十数社が11月上旬、未払いの実態調査と元請け業者への指導を求め「被害者の会」を結成。会の発起人で仙台市の建設会社社長千葉功さんは「工事は飽和状態で県内業者が元請けに、県外業者が下請けに入るケースが多い。元請けがもっとしっかり管理してほしい」と訴える。

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