熊本市の慈恵病院で「内密出産制度」について記者会見する蓮田健副院長(右)と蓮田太二理事長=16日午前

 内密出産の流れ(イメージ)

 親が育てられない赤ちゃんを匿名で預け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を運用する熊本市の慈恵病院は16日、記者会見し、予期しない妊娠に悩む女性の出産を匿名で受け入れ、生まれた子が成長後、出自を知ることができる「内密出産制度」に関し「現行法の解釈で可能だと思う」とし、早期実現に意欲を示した。

 内密出産は、既にドイツで法制化されているが、日本では環境が未整備で、法的にも子どもが無戸籍になる恐れがあるなど課題は多い。病院側は「われわれだけで先走ることはできず、行政や専門家と議論し、問題点の整理をしていきたい」とも述べ、関係機関に協力を求めた。

 病院側は、赤ちゃんポストを運営してきた経験を踏まえ、女性が妊娠を明かせないまま自宅や車中など孤立した状態で出産するケースを防ぎ、母子の命の安全を図りたい考えを持っている。

 会見で蓮田健副院長は「母子の安全を守る観点で内密出産は有効だ」と強調した。一方、戸籍法では父母らに出生の届け出義務があり、母親の匿名性を保つと、子が無戸籍状態になることが懸念される。蓮田副院長は「『ゆりかご』でも同様の問題がクリアできた。技術的に不可能ではない」と述べた。

このエントリーをはてなブックマークに追加