■来年はミス防止を肝に銘じ

 

 師走、編集局は通常の紙面に加え、新年号づくりや新企画の準備に追われている。新年号は元日が3部構成80ページ、3日は2部構成48ページをお届けする予定だ。来年の紙面展開を模索する一方で、年末は1年を振り返る時期でもある。恒例となった佐賀県内10大ニュースは先月25日に募集を始め、いま集計の真っ最中、29日の発表を楽しみにしてほしい。

 そんな中、県東部地区の男性読者からおしかりの手紙をいただいた。内容は「訂正が目立ちます」とピシャリ。あらためて調べてみると、この1年(1月~今月16日まで)の訂正数は99件、平均すると3日から4日に1度は訂正記事が載っていることになる。内訳は人名が33件、電話番号などの数字が26件、これに組織・団体や肩書などを加えると固有名詞や数字が全体の7割近くにのぼった。決してあってはならないことで、どんなに言葉を尽くしても申し開きできるわけはなく、ただ頭を下げるしかない。

 記事はまずデスクが目を通し、校正支援システムで漢字や送り仮名、表現方法などを検索にかける。次に紙面レイアウトや見出しを付ける部署でも面担者とデスクが、最後は大ゲラとなった段階で校閲担当らがチェックすることになっている。

 二重、三重の体制を敷いてもすり抜けてしまったわけだが、固有名詞や数字の誤りは、記者が確認を怠らなければほとんど表出しない。もっと言うなら、人名は知事や市長など一定の知名度がある人を除けば、取材した記者しか確認のしようがない。このため(1)名前、肩書は名刺で確認、ないときは必ずメモを見直す(2)電話番号は実際にかけてみる(3)記録は読み合わせる―などを徹底しているが、昨年は98件、一昨年は107件の訂正を出し、残念ながら減少してはいない。

 一方で、取材を受けた人に対しては大変失礼に当たることはいうまでもない。記者も申し訳ない気持ちにさいなまれ、その記事がどんなに素晴らしい内容でも、台無しになってしまい、ひいては新聞の質、信頼性にも影響してくる。

 佐賀新聞社では新人を対象に入社半年研修を実施しており、リポートの中で一人がミスについて触れていた。「まずは何よりしないように心がけ、信頼に足る記者であろうと思う」。そして、こう続く。「(記者にとっては)毎日いくつも書く記事の一つであっても、紙面に登場する人にとっては一生に一度の機会かもしれない。子どもの名前を間違えたら保護者やおじいちゃん、おばあちゃんはどう思うだろう。目の前にいる人だけでなく、さまざまな背景をも想像し、記事を書けるようになりたい」

 その通りだと思う。この機会に、あらためて編集に携わる一人ひとりが緊張感と細心の注意を払うことを肝に銘じたい。さらに1年を振り返るに当たり、報道面の充実はもちろんだが、来年は「ミス防止」を編集局内の重点課題に掲げていく。(編集局長 澤野善文)

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