かつて、流星と隕石とは同じ起源のものとされていた。東西には、多くの天文観測の古い記録が残る。日本で日付の明らかな流星の記述は、奈良時代に完成した『日本書紀』に見える◆〈舒明天皇九年二月二十三日戊寅(637年3月24日)、大いなる星東より西に流る。すなわち音ありて雷に似たり。時の人いう「流星の音なり」と〉。これこそ有音隕石にあたると『星の古記録』(斉藤国治著)にある。古人たちも、驚きをもって月や星の動きを見ていたのだろう。まだ天文異変への畏怖があった頃だ◆先日、佐賀市の星空学習館であった、ふたご座流星群の観察会に参加した。屋上に寝っ転がり夜空を仰ぐ。しんしんと寒さがしみるが、空気が澄んでいる。あいにくの雲がなければと思いつつも、じっと目をこらしていると、東の空にスッと一筋、白いものが流れた。周囲から「あっ」と声がもれる。まさに幸運だった◆今年は比較的良い条件での観察だったが、1個でも満足。日々に追われ、夜空を見上げることなど久しくなかった。最も明るい星のシリウスも見られ、しばし悠久の世界に浸った◆近年、星空観測の人気が高まっている。長野県の阿智村や南牧村など、美しい星空を観光資源にする自治体も出てきた。何よりロマンがある。今夜あたり、星座探しの旅をしてみませんか。(章)

このエントリーをはてなブックマークに追加