杉本健さん

 認知症の患者や家族だけでなく、地域住民も気軽に集う場として近年、全国で取り組みが始まっている「認知症カフェ」。「オレンジカフェ」とも呼ばれるこれを、昨年のビッキーふれあい祭りで、江北町内で初開催した。来年1月にはさらに同町上小田の貸しスペース「おへそのおへそ」でも開き、少しずつ地域に広げていく考えだ。

 認知症対応型グループホームを備えた古賀小児科内科病院(江北町上小田)の介護部長。「実は鹿島市民だが、職場のある江北は小字名が全て分かるほどなじみ深い」と笑う。ケアマネジャーのほか、認知症介護指導者として後進の育成にも励む。

 忙しい仕事の傍ら、まちづくりへの関わりも長い。鹿島青年会議所に所属し、理事長も務めた。鹿島ガタリンピックなどの経験で「ノウハウが見えてきた」。

 かつての炭鉱住宅が多く空き家の増加に悩む上小田地区で、昨年度まで有志が開いていた「まちづくり座談会」にも参加した。「認知症になった高齢者が施設や子どもの元へ移ると、空き家がうまれる。認知症予防や、認知症になっても暮らせるための働き掛けは空き家対策にもなる」と持論を語る。

 カフェはその働き掛けの一つ。「病気自体は浸透してきた。次は、認知症になっても周りに助けを求められるという認識を広める段階」とし、本人だけでなく、家族や地域住民も病気を正しく理解する必要性を指摘する。

 カフェが介護スタッフにも好影響をもたらすという期待もある。「スタッフ自ら病気の知識を地域に還元すれば地域での存在価値が高まり、介護職への誇りにもつながる」という。介護人材の確保も急務だ。

 「ゆくゆくは、学びに来た人が地域で自らカフェを開くようになれば」。認知症患者がその人らしく生きられる、そんな江北町の未来を思い描く。

このエントリーをはてなブックマークに追加