ホシユタカの苗を植えるJA伊万里二里青年部のメンバー。GAPの認証取得に向けた取り組みにも本腰を入れている=伊万里市

 国産長粒米「ホシユタカ」を栽培しているJA伊万里ホシユタカ生産部会(金子友洋代表)は、2020年の東京五輪・パラリンピックの食材として提供できるよう、農産物の安全性を裏付ける基準の認証に向けた取り組みを本格化させている。コメの国内需要が減少する中、世界中が注目するイベントで認知度を上げ、消費喚起につなげる。

 ホシユタカは日本のコメに長粒種(インディカ種)を掛け合わせた品種。粘りが少なく、チャーハンやリゾットなどの加熱調理に適しており、レストランなどからの評価も高い。

 2013年に市内の農家が試験栽培を始め、今年は約3・5ヘクタールで作付けしている。粒が小さく調理に時間がかからないため、専門店だけでなく、家庭への普及も模索。ホシユタカを使ったレシピコンテストを開いたり、佐賀大学などとパッケージデザインを考えたりして販路拡大に力を入れている。

 東京五輪の選手村食堂、競技会場で出せるのは、生産管理の徹底ぶりを示す基準「GAP(ギャップ)」の認証を取得した農場の作物に限られる。条件に合うのはまだわずかで、海外では長粒米が多く消費されていることから商機獲得を狙う。

 認証取得に向けて9月に地区協議会を立ち上げ、10月からは県や市、JA、生産部会の代表者による作業部会を毎月開催。来年中の取得を目指し、項目ごとの課題を整理するなど取り組みを加速させている。

 コメの国内消費量は年々低下し、2018年産から国による生産調整(減反)も廃止される。金子代表(55)は「厳しい状況の中で特徴を出すために、積極的な動きを見せないといけない」と話し、「用途に応じて月に数回使ってもらえるような副食用のコメとして、市場の隙間を狙っていきたい」と意気込みを語る。

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