12月になってすっかり寒くなってきましたね。11月に大阪で行われた日本女性医学学会で、元なでしこジャパンの澤穂稀さんのお話を聴くことができました。澤さんはご出産され、10カ月の赤ちゃんのお母さんになられていました。

 澤さんは現役の時、試合に月経が重なるのが嫌だったので、30歳から引退するまでずっと低用量ピルを飲んで重ならないようにコントロールしていたそうです。疑問に思うことは婦人科の主治医にちゃんと聞いて、理解して、自分で納得して使っていたので、ピルについてなにも不安はなかったといわれていました。

 そんな澤さんですが、20代の頃、米国のリーグに参加した時には、多くのチームメートがピルを飲んでいて、その頃自分にはピルの知識が全くなかったのでとても驚いたそうです。その後帰国してから、婦人科の先生が代表の試合に同行してくれる機会があって、いろんな話を気軽にできるようになってピルのことも知ったそうです。

 澤さんの話を聞いて、医療と良い関係を築いているなと思いました。多くの方は病気や治療法について、家族や友人の話、雑誌やネットからの情報に影響され、正しい知識にたどり着く前に先入観で決めてしまっているところがあるように思います。今の自分の状態を知り、自分に合った治療の選択肢を専門家から得て、その上で自分に合った治療法を選択してほしいと思います。

 澤さんは結婚され、サッカー選手を引退して引っ越しも済んで、そろそろ赤ちゃんが欲しいと思ってピルをやめたら、最初の排卵でご妊娠されたそうです。その話を聞いて、その場にいた婦人科医はみんなとてもうれしい気持ちになりました。

 医療が一人一人の人生にもっと寄り添っていけますように。患者さんと医療がもっと近い存在になりますように。私たちはそう願って診療をしています。(すこやか女性クリニック院長 西岡智子)

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