「鳥栖の市」

 昭和30年代ごろまで鳥栖市は鳥栖駅前から東町にかけてにぎわっていた。特に12月初めの「鳥栖の市」は大変な人出だった。私たちはそのにぎわいが楽しみでたびたび出かけた。

 かごやしょうけ類が山積みの店、手作りの農機具類、草刈り鎌、鍬(くわ)などたくさん並べられている。バナナや茶わんのたたき売りの大声、正月が近いことから臼、きね、せいろ、くどなど正月餅用一式、家具や寝具類の特価販売品が並ぶ。時々雪がちらついても人波は途切れない。この時期は親類が泊まりに来たりした。

 見せ物小屋、サーカス、時には大相撲が来たこともある。福引きも盛り上がっていて、知人に子牛が当たったのには驚いた。その後、スーパーなどのオープンによって市のにぎわいはいつの間にか消えた。(絵・文=水田哲夫・鳥栖市本町)

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