■パート減税、子育て手薄

■ビール税改革で負担感も

 2017年度税制改正大綱で見直される暮らし関連の税制は、パートで働く主婦がいる世帯などで減税となり、負担が増すのは収入の多い家庭が中心となる。ただ、子育て世帯の家計に的を絞った支援は手薄だ。19年の消費税増税に続き、酒税の改革で発泡酒や第三のビールも増税となることで、先行きは痛みを感じることが増えそうだ。

 所得税の配偶者控除の見直しでは18年1月から、年収103万円以下だった妻が150万円まで稼いでも夫の税負担が変わらなくなる。妻の年収が103万円超~201万円だった世帯の多くは控除額が増えて夫の税金が減る。自治体に納める住民税も19年6月から同じ仕組みに移行する。控除が減って増税になるのは、夫の年収が1120万円を超える専業主婦世帯が中心となる。

 収入への影響より保育所の空きを探すのが切実な共働き夫婦は多く、政府は「企業主導型保育所」をつくった会社を減税して受け皿を増やそうとしている。一方、ベビーシッター代や仕事の都合による「遠距離婚」の旅費が高くつく場合に所得税の負担を軽くして、結婚・子育てを支える要望も政府内にあったが、認められなかった。

▼車、住宅増税も

 環境に優しい車を買うと税金が安い「エコカー減税」は期限が延長され、19年春まで続く。対象となる燃費性能のハードルは厳しくなり、例えば自動車取得税の減税車は「新車の9割」から18年度には7割になる。高い加速性能などを優先して車を選ぶと、税金が高くつく例が出てくる。

 高層のタワーマンションの固定資産税は、部屋の面積が同じなら階数による違いはないが、17年4月以降に買った新築物件が高層階だと、18年度分から順次、税金が上がる。税金が割安だと考えて資産家が高額物件を購入すると、当てが外れることもありそうだ。

▼長期投資を優遇

 19年10月には消費税率10%に引き上げられ、幅広い商品が値上がりする。20年10月~26年10月にかけてビール類の税金が段階的に350ミリリットル缶当たり54・25円にそろえられ、家庭でよく飲まれる発泡酒と第三のビールは一段と価格が上がる。

 景気対策を打ち出す余力のない政府は、17年度に2%以上の賃上げに踏み切る中小企業を大幅な減税で応援し、消費を盛り上げたい考え。しかし、景気が厳しいと感じる経営者がこれで動くかははっきりしない。

 小口の投資を優遇する少額投資非課税制度(NISA)は、リスクを抑えた投資信託に限定して18年1月から拡充される。購入額の上限が年40万円と低めである代わりに、配当などに税金が20年間かからない枠を選べるようになり、少しずつ資産を増やそうとする人には使い勝手が良くなる。【共同】

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