赤穂浪士の討ち入りがあった元禄15(1703)年のこと、連日、空から綿が降ってきたという。江戸中期にまとめられた百科事典『和漢三才図会』に、不思議な話が載っている◆赤みがかった太陽から「なにか物が日の中から出てくるようにみえ、それがひらりひらりと降ってきて、土壁に懸かり張りついた」-。「怪雨(あやしきあめ)」と呼ぶ。綿糸やクモの糸に似ていて「焼いてみると香りはなく、切ると脆(もろ)くなく、まだどういうものかよく分からない」◆綿ならともかく、空から落ちてきたのが窓、それも金属製だったとくれば、穏やかではいられない。沖縄県の普天間飛行場に隣接する小学校のグラウンドに、米軍の大型ヘリから窓が落ちてきた。ちょうど体育の授業中で、衝撃で跳ね返った小石が子どもに当たったが、幸いけがはなかったようだ◆ほんの6日前にも、近くの保育園にヘリの部品が落ちたばかり。こちらはヘリに搭載している、プラスチック製の計器カバーだったが、米軍は「飛行中に落下したものではない」とにべもない。今回の窓はヘリが飛び立った後、何かが落ちていく様子がしっかり映像に撮られており、さすがに観念するしかなかったか◆計器カバーに、金属の窓…。沖縄では空を見上げる不安な日々が続く。“怪しき雨”は、いつになればやむのか、と。(史)

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