参院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会の論戦のポイントは次の通り。【共同】

 【TPP関連対策】

 山田修路氏(自民) TPP関連対策は、TPPの発効が契機ではあるが、新しい日本を築いていくための対策であり、しっかり実施していくことが必要だ。

 安倍晋三首相 これらはいずれもわが国にとって経済の生産性を高め、わが国を新たな成長軌道に乗せるために必要な施策だ。国家百年の計、中長期的な視点を含めて実施していく必要がある。

 舟山康江氏(無所属) TPPの発効は絶望的と言われるいま、発効を前提とした予算は執行停止にするべきだ。

 首相 予算はTPPの発効を見据えたもので、発効を前提としたものではない。執行停止することは想定していない。海外に展開しようと考えている中小企業の競争力、生産性を上げていくための予算だ。またTPPが発効するかいかんにかかわらず、農業の体質を強化して、農家が頑張っていこうというものを応援するためのものだ。

 【手続き進める意義】

 河野義博氏(公明) トランプ次期米大統領がTPP脱退方針を表明している。批准手続きを進める意義は。

 首相 米国に強要されたからではなく、わが国の利益になるから参加する。交渉を主導することで、農産品関税交渉でもわが国の主張を確保できた。

 儀間光男氏(維新) トランプ氏に翻意を促していただきたい。

 首相 トランプ氏は、今は残念ながら脱退するという趣旨の発言をしている。しかし日本と米国がリードした結果、協定ができた。世界で保護主義が台頭しつつある中、自由で公正なルールを示すことは意義がある。

 中山恭子氏(日こ) 米国を除く11カ国で発効できるように変更することが有意義ではないか。

 首相 米国抜きでは発効要件を満たさない。根本的な利益のバランスが崩れてしまうというのが共通の認識ではないか。11カ国が国内手続きを進めて、米国が批准するという方向に促していきたい。

 【付属書】

 紙智子氏(共産) 発効の見通しがないのに、サイドレター(付属書)は生き続けているのか。

 岸田文雄外相 文書は、日本のこれまでの取り組みや今後自主的に行う内容を確認したものだ。わが国が行っていることなので廃することはない。

 【紛争解決手続き】

 山本太郎氏(自由) TPPの投資の章で、国が財産を使えなくする間接収用について、紛争解決手続き(ISDS)で訴えられた場合に、政府の翻訳が恣意(しい)的で英語と解釈が異なり反論できない。

 渋谷和久内閣審議官 他の協定でも同様の訳を使用している。ISDSはわが国の企業が投資活動を行う上で必要なツールだ。

 【たばこ訴訟】

 松沢成文氏(無所属) 日本たばこ産業(JT)がたばこ市場を閉鎖的にしていて、ISDSで訴えられるかもしれない。なぜJTの株式を国が保有し、保護しているのか。

 首相 国が株式を保有しているが、JTに対して訴訟が提起されても政府が損害賠償責任を負わされることにはならないと考えている。

 【農協改革】

 徳永エリ氏(民進) 政府の農協改革は過剰介入ではないか。

 山本有二農相 全国農業協同組合連合会(JA全農)改革の内容は、JA全農とも合意をした上で定められた。政府としては、JA全農が自己改革を行うことを促す立場になる。

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