第59回九州高等学校演劇研究大会が16、17の両日、鳥栖市民文化会館で開かれる。県内の地区大会を勝ち抜いた11校が、全国大会に進める「九州代表」を目指して白熱の舞台を披露する。佐賀開催は8年ぶり。佐賀代表の鳥栖商業高、佐賀東高演劇部と、大会実行委員長に見どころを聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



特別支援学校を舞台に 

鳥栖商高「頭のとがったヒーロー」
 鳥栖商高は12年ぶりの県最優秀賞で、九州大会への切符を手に入れた。部長の小野那澄(なち)さん(17)さんは「出場を逃した他校の生徒が悔しがる姿も見た。みんなの思いを背負って演じたい」と大会への思いを語る。
 上演作品「頭のとがったヒーロー」は、特別支援学校を舞台にしている。入学してきた男子生徒をめぐり、生徒や保護者らの心に起こる変化を描く。個性的な登場人物一人一人がいとおしく、11月の県大会では審査員から「温かい気持ちになった」と称賛された。
 顧問真子多恵先生(57)の案を基に、部員13人で意見を出し合って練り上げた。多様な生徒らの姿やさりげなく助け合う教室の風景は、2年前まで特別支援学校に赴任していた真子先生の経験や映画などに学んだ。その中で部員らは、自分の中にあった無意識な偏見や差別意識に気がつくことにもなったという。
 小野さんは脚本を初めて読んだ時、経験のない特別支援学校を描くことに不安も覚えた。しかし今は「学校は違っても、生徒たちは私と同じように普通に暮らしていることを知った。そういうことも伝われば」と笑顔を見せる。

 

 

社会へ問題提起

佐賀東高「君、いきたまふことなかれ。」
 熱のこもった演技で、物語に引き込み、6年連続9回目の九州大会出場を果たした。「自分たちの中で最高の演技ができた」。岡石晏奈(はるな)部長(18)は県大会の手応えを語る。
 大会で演じる「君、いきたまふことなかれ。」は、顧問の彌冨(いやどみ)公成教諭(42)と岡石部長が共同で制作。これまで家族や人のつながりをテーマにしてきた演劇とはひと味違う。北朝鮮のミサイル問題や少子高齢化など社会への不安の中で、“生きていかなきゃならない”高校生の葛藤を描く。
 手掛けた彌冨教諭は「『死にたい』って言葉がSNSや日常にあふれる中で生きがいは何なのか、部員自身も立ち止まって考えられたら」と話す。役名は生徒たちの名前を使っているため、自分自身を演じる感覚もあるという。
 県大会の脚本とは半分ほど中身を変え、部員の解釈を聞いて試行錯誤してきた。大会まで日数はないが、これまで月1本ペースで演じてきた体力には自信がある。岡石部長は「社会へ問題提起する、ちょっとずつトゲを刺す作品。お客さんが入りこんで、活力になるような演技をしたい」と瞳を輝かせる。

 

高校生の“今”を舞台で

 大会は、県内高校演劇部員ら約100人が実行委員を務める。照明や大道具などの舞台裏、来賓や来場客の案内などを担当し、大会を支え盛り上げる。
 実行委員長の佐賀西高2年谷口晴香さん(17)は、「大会を勝ち抜いた強豪校が、観客の目を奪い心を動かす舞台を見せてくれる大会になるだろう」と力を込める。
 谷口さんは「高校演劇は高校生の“今”を伝える」と話し、「今の高校生が何を感じ何を思っているのか、多くの人に見てほしい」とメッセージを送る。

■大会スケジュール■
<16日>
10時   佐賀東高(佐賀県)
11時20分 浦添工業高(沖縄県)
13時10分 熊本信愛女学院高(熊本県)
14時半  創成館高(長崎県)
15時50分 屋久島高(鹿児島県)
17時10分 西日本短期大学附属高(福岡県)
<17日>
9時20分 ひびき高(福岡県)
10時40分 爽風館高(大分県)
12時   福岡高(福岡県)
13時50分 都城商業高(宮崎県)
15時10分 鳥栖商業高(佐賀県)

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