撮影に当たるクラブリオの永松良太さん(右から3人目)=江北町のクラブリオ

天子社参道の桜並木をイメージした合成画像。右端に境内がある(提供)

天子社での流鏑馬復活に尽力した百武一真さん(左)。右は桜並木への出資を申し出た江北出身・大阪在住の青木二郎さん=江北町の天子社(提供)

■神事復活の立役者・百武さんの遺志に共感、制作

 

 引退した競走馬を引き取るなどして飼育している江北町の「クラブリオ」(永松良太代表)が現在、活動を紹介する映像を制作している。発案者は3年前、地域の神社「天子社」で流鏑馬(やぶさめ)神事の復活に尽力した百武一真さん(享年71)の妻・静子さん(61)。百武さん夫妻や永松代表をはじめ、さまざまな人々の思いと縁からなる意義深い映像作品になりそうだ。

 

 2014年に実現した144年ぶりの流鏑馬復活は、元々各地で射手を務めてきた永松さんと、同年の天子社の神事を受け持つ宮総代だった一真さんの出会いが始まり。ただし、走り流鏑馬ではなく、境内で馬を止めて射る形式にとどまった。かつて土の路面で桜並木が植えられていた参道は、アスファルトに覆われ馬が走れなくなっていたためだ。

 「いつか参道で走り流鏑馬を」。桜並木を懐かしむ町外在住者から出資の申し出もあり、一真さんが旗振り役となって実現の道を探ったものの、地域の理解を得るには時間が必要だった。その一真さんが昨年11月、急性白血病で亡くなった。静子さんは夫の無念を思い、「せめて映像の中だけでも実現できないか」と、永松代表に制作を提案し援助を持ちかけた。

 映像は多久市の制作会社「グランマミュージックエンターテインメント」が担う。今年の流鏑馬や乗馬体験イベントなど、5月から撮りためてきたクラブリオの活動のほか、CGで再現した参道の桜並木の映像も取り入れる。詳しい完成時期は未定だが、同社によると本年度中の完成を目指す。クラブリオのホームページで公開する。

 創設9年目となるクラブリオが地域から必要とされ始めている現状について、永松さんは「奇跡のよう。当初はこんなに受け入れられると思っていなかった」と感慨深げ。静子さんは「映像を通して、桜並木の参道復活を望む人々の思いをつなげたい。流鏑馬に欠かせない馬を飼育するクラブリオの運営についても、理解を広げられたら」と映像に託す願いを語った。

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