ふるさとスケッチ 九年庵の紅葉 山田直行

 晩秋のよく晴れた一日。神埼日中友好協会(実松信子会長)の秋の交流会に参加した。中国からの留学生の皆さんと、久しぶりに国の名勝「九年庵」などを訪れた。

 庭園内のやわらかな秋の光を纏(まと)った木々の紅葉は、あかあかと透けて頭の上に降り注いでいる。それらの朱赤と、一面を覆う庭園のコケ類の緑との対比が美しい。入母屋葺(ぶ)きの邸宅は野趣に富み、土壁や竹格子の小窓など素朴な中にも細心の意匠が施されている。施主の深い豊かな美意識を感じさせる。

 近くの「伊東玄朴旧宅」などを巡って、最後は「もみじの湯」での交流会。留学生に私の好きな論語の一節を、中国語での発音で教えてもらった。『子曰、学而時習之、不亦説乎、有朋自遠方来、不亦楽乎…』

 若者たちとの楽しいひととき。外はいつしか初冬の風が吹いていた。(佐賀女子短期大学名誉教授)

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