佐賀県嬉野市の養護老人ホームに入所していた高齢男性の胃ろう用カテーテルをわざと外し胃の粘膜を傷つけたとして、傷害罪に問われた同県鹿島市の介護職員藤武奈緒美被告(32)の判決で、佐賀地裁は11日、「カテーテルを抜き取ったとするには合理的な疑いが残る」として無罪を言い渡した。検察側は懲役1年を求刑していた。
 判決によると、事件は2014年12月25日、ケアワーカー室で発生。前月から男性のカテーテルが外れるケースが相次いでいたことからホーム側が設置したビデオの映像に、藤武被告が男性=当時(95)=の服の中に手を入れ、腹部付近を触る様子が写っていた。
 判決理由で吉井広幸裁判官は「カテーテルを無理やり引き抜こうとすればある程度の力を込める必要があるが、その様子はうかがわれず、不自然・不合理な点が残る」と結論付けた。
 男性はこの事案の後、次第に衰弱し、15年8月に死亡した。
 佐賀地検の大山輝幸次席検事は「上級庁とも協議の上、適切に検討したい」とコメントした。【共同】

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