江戸時代から昭和初期の建物が軒を連ねる通り。国内外からの観光客が訪れる=西松浦郡有田町

 国際記念物遺跡会議(イコモス)の国内委員会が選定した「日本の20世紀遺産20選」に、佐賀県内から唯一選定された西松浦郡有田町。伝統産業の有田焼が息づく町並みや文化施設群への高い評価に、喜びの声が上がった。

 イコモスの調査に資料収集などで協力した町内の建築家、清水耕一郎さん(67)は「400年にわたり同じ産業で栄えた地域は、世界的にも珍しい」と指摘し、「世界文化遺産登録の第一歩になる。有田の歴史的背景や価値を政府にアピールしてほしい」

 町にとって昨年の「肥前窯業圏」日本遺産認定に続く朗報。山口隆敏町長は「有田の知名度アップにつながる」と歓迎した。今後、昨年の有田焼創業400年や日本遺産と絡め、産業や観光活性化の方策を検討する。

 有田の発展は焼き物とともにあった。江戸時代初めの磁器の原料発見で多くの陶工や商人らが移り住み、現在の陶都の基礎を作った。窯元や陶磁器店が並ぶ内山地区は、文政11(1828)年の大火でほとんどが焼失したが、焼き物を保護した藩の援助もあり、30年後には「有田千軒」と呼ばれる繁栄を取り戻した。

 内山地区に育った深川祐次有田商工会議所会頭(60)は「先人たちが積み上げた景観を地域で守る意識が必要」と話す。選定を生かした誘客への仕掛けづくりを急ぐ考えで、「来年の明治維新150年にも弾みがつくのでは」と相乗効果を期待する。

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