常盤貴子さん

 大林宣彦監督の映画『花筐/HANAGATAMI』の唐津先行上映会が始まった。7日の舞台あいさつで唐津を再訪した常盤貴子さんに話を聞いた。

 映画は戦時下の青春群像劇で、肺結核のヒロインを看病する義理の姉で、青年たちが憧れる江馬圭子役を演じた。「どんな思いで役を」と尋ねると、「思いを思わないことを選びました」とまるで禅問答。「あとは想像にお任せします。どういうことだったんだろう、と思ってもらうと、いろんな想像ができてこの映画をより楽しめると思う」と付け加えた。

 全体を通して演出やテンポなど独特の世界が広がる。旧唐津銀行で撮影した薬を運ぶシーンが印象的といい、レール上の台に乗り、滑るように動く仕掛けだったと種明かし。「『これぞ、大林映画』みたいな撮影で興奮した。だけどどんな効果があるのか、全く分からない。実際に見ると、絶妙な違和感が脳に残る。監督はそういう植え付けを多々されて面白い」。

 『野のなななのか』(2014年)に続き、戦争をテーマにした大林映画に出演。「監督が話しているけど、黒澤明監督から『僕には時間がない。平和のための映画を作ってくれ』と言われたと。映画でできることならば、今を生きる俳優としてそのバトンを渡していく一端を担うべきだなと感じている」。映画の力を信じている。

 唐津の印象を「お魚に豆腐にお酒、おいしいものをたくさんいただいた。唐津の人はみんな唐津が好き。地元の人がうれしそうに地元のことを教えていただくと、訪ねたくなるし、すてきだなと思った」と振り返る。「映画には唐津の人が大事に受け継いできた魂みたいなものがぎゅっと込められている。すぐには見えてこないかもしれないけど、皆さんが誇りに思ってくださる日が来ると思う」

 先行上映は17日まで。問い合わせは唐津映画製作推進委員会、電話0955(72)3278。

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