「こんにちは」のあいさつに「こんにちは」と返してくれた阿比留優輔さんは18歳。佐賀市の障害福祉サービス事業所「レインボーハウス」を今春から利用する。自閉症で、周囲とコミュニケーションをとるのが苦手な彼は、ミカンの皮むき作業が大好き◆やれる作業があるか心配した周囲をよそに、ぴったりと合った。缶詰用に皮をむき、中の小袋を分ける。父親の康弘さんも意外だったという。「バラバラにすれば終わる。分かりやすいのが合ったのだろう」。優輔さんはやる気が出て、家でもニコニコと笑顔が増えた◆作業に疲れると、施設長室のソファに寝っ転がる。それが、彼なりのバランスの取り方だ。ここでは障害者40人ほどが、菓子づくりや紙箱折りなどの内職、廃品回収といった作業に取り組む。それぞれに能力を生かせる得意分野がある◆「小さい時から比べられてきた人生。ほめられてこそ達成感を覚え、次のステップを踏める」とスタッフ。支援をする側も、逆に助けられていると感じるそうだ。利用者から何かをもらっているから疲れない◆障害者と健常者、間に線があるわけではない。ともに弱い人間で、どこか欠けたり破れたりしている。互いに補いながら生きていけたら―。きょうは「障害者の日」。誰もが社会の一員として支え合う「共生社会」に、と思う。(章)

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