ホーム最終戦を終え、サポーターにあいさつするサガン鳥栖の選手たち=11月26日、鳥栖市のベストアメニティスタジアム

 サッカー・J1サガン鳥栖が今季の戦いを終え、6年連続のJ1残留を決めた。リーグ戦の通算成績は13勝8分け13敗(勝ち点47)で18チーム中8位。強豪がひしめく中、昨季の11位から三つ順位を上げ、チームの成長を感じさせた。来季のさらなる飛躍を信じ、地域ぐるみの応援を強めたい。

 「主力で出ていく選手はほとんどいないはず。来年からは継続性による強さを発揮する」-。今季最終戦となった2日の札幌戦後の会見で、2年目のマッシモ・フィッカデンティ監督は今季を糧に上位を目指す決意を示した。

 J1参戦6年目の今季、鳥栖の出足はよくなかった。過去5年間、開幕戦は負けなしだったが、柏に敗れて初の黒星発進。続く川崎に引き分け、初勝利は3戦目の広島戦だった。その後は8~13位と中位をキープ。連勝が1回しかない一方、連敗も2回だけで、降格圏に落ちることはなかった。

 最も特徴的だったのは、ホーム戦で圧倒的な強さを見せたところだ。サポーターの後押しを受けて獅子奮迅の戦いを続け、リーグ3位タイのホーム11勝。ただ、敵地では苦戦が続き、わずか2勝と流れに乗れなかった。

 スコアをみると、1点差勝利が11試合、引き分けが8試合、1点差負けが8試合で接戦の連続だったことが分かる。終了間際の連続失点で逆転負けした磐田戦など印象に残るが、「あと少し踏ん張っていれば」「もっと上に行けた」と感じている人も多いだろう。

 歯車がもう一つかみ合わなかった理由としては、主力選手のけがが相次いだことや、6月末に司令塔の鎌田大地選手が海外に移籍したことが挙げられる。指揮官が戦術の見直しを迫られる中、今季加入の新戦力が躍動した。前半戦は趙東建選手らが奮闘。後半戦はビクトル・イバルボ選手らの活躍が目覚ましかった。原川力選手の正確なプレースキックも大きな武器になった。

 ホーム戦の好調と相まって観客も増え、ホーム戦の累計入場者は24万1295人と過去最高に。運営会社の昨季の売上高は約27億6千万円で、J1昇格前の約7億円から4倍に増えており、現場、フロントが一体となった取り組みが好循環を生んでいるのは間違いないだろう。

 今季J1は残留争いが激しく、2004年の初昇格から14年間戦ってきた新潟のほか、再昇格後5年間奮闘してきた甲府、さらには昨年5位の大宮がJ2降格となり、残留を続ける難しさをあらためて痛感させられた。国内最高峰の舞台で戦い続ける選手たちを応援できるのは幸せなことである。来季はお隣、長崎県のV・ファーレン長崎が昇格し、西九州ダービーも始まる。鳥栖の上位躍進を期し、声援を送ろう。(杉原孝幸)

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