九州電力玄海原発避難計画のポイント

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■首相「国の責任で対処」

 政府は9日、全閣僚や原子力規制委員長で構成する「原子力防災会議」を官邸で開き、九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の重大事故に備えた佐賀、長崎、福岡3県の避難計画を了承した。事実上、再稼働手続きの一環とされ、議長の安倍晋三首相は「原発事故が起きた場合、国民の生命や財産を守るのは政府の重大な責務だ」と述べた。

 会議では、規制委の田中俊一委員長が避難計画に関し、「原子力災害対策指針に沿って具体的かつ合理的だ」と認めた。消防や海保、自衛隊といった実働組織を所管する総務、国土交通、防衛など各省庁の大臣らも「地元の要請に応じて支援する」とした。

 安倍首相は、新規制基準に適合した原発は地元の理解を得ながら再稼働を進めるという政府方針に触れ、原子力災害が起きた場合は「責任を持って対処する。自治体を最大限支援し、全力を尽くす」と強調した。「佐賀県をはじめ関係自治体にはこのような方針を理解いただき、協力をお願いする」と語った。

 計画の対象は、3県8市町の約26万3千人。佐賀県内では玄海町と唐津市、伊万里市の約18万8千人が、自治体が手配するバスなどで県内17市町の学校や公共施設に避難する。

 県境を越えた避難はないが、避難経路で他県に入ることも想定する。唐津市民は福岡経由で佐賀県東部に避難するケースもあり、長崎県松浦市の一部や鷹島、福島の住民は伊万里市や有田町を通って避難する。

 玄海原発の30キロ圏には人の住む離島が20あり、全国の原発で最も多い。住民数は計約2万6千人。島内避難する長崎県の壱岐島を除き、橋が架かっていない16島は悪天候で船が出せない場合、被ばくを防げる放射線防護対策施設に全住民収容できるよう整備する。佐賀県内の7島は年度内に整備が完了する予定。

 規制委は玄海3、4号機の再稼働の前提となる審査の合格証に当たる「審査書」案を既に了承しており、9日で意見の一般公募を締め切った。来年1月にも審査書を正式決定し、再稼働は2017年度以降になるとみられる。

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