諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門を命じた確定判決の勝訴原告の漁業者に、制裁金の強制執行をしないように国が求めた訴訟の審理が5日、福岡高裁であり、西井和徒裁判長は次回の来年2月26日にも結審する見通しを示した。漁業者と国の双方が、結審後の和解協議の再開に前向きな意向を示した。

 審理では、漁業者側弁護団と国が「和解による解決が望ましい」とした。ただ、国側が開門によらない有明海再生の基金を通じた和解の考えを示したのに対し、弁護団は開門を含めた協議を求めて主張の隔たりがあったという。

 訴訟を巡っては、開門阻止派を含めた3者の和解協議が5月に決裂し、審理が再開していた。馬奈木昭雄弁護団長は「国の開門によらない方策は失敗してきた。有明海再生は開門しかないのは明らか」と話した。農林水産省の横井績農地資源課長は「和解の形で全体の問題の解決を図るのが一番いい。訴訟手続きによって現在の状況を解消していきたい」と述べた。

 関連する開門差し止め訴訟の協議もあり、漁業者側が申し立てた「独立当事者参加」の可否について西井裁判長は「そろそろ判断していきたい」との考えを示した。国が意見を提出する1月下旬以降に結論が出る見通しで、認められなければ4月に開門差し止めを命じた一審長崎地裁判決が確定する。

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