「竹図並賛金地屏風(左隻)」草場佩川筆=多久市郷土資料館蔵

 草場佩川(はいせん)=1787(天明7)~1867(慶応3)=は現在の多久市多久町に生まれ、佐賀藩校弘道館の教授を務めるなど、当時の日本を代表する儒学者のひとりでした。文人としても著名で、中でも「佩川といえば竹」といわれるほど、竹を題材にした漢詩や書画を数多く残しています。佩川の自宅付近は川べりで竹やぶが多く、庭にも竹が生えており、佩川にとって竹は身近で、かつ特別なものだったのでしょう。

 佩川の書画で最高傑作といわれているのが、竹を描いた「竹図並賛金地屏風」です。六曲一双の大作で、右隻は水辺で風にそよぐ笹を、左隻は笹と筍(たけのこ)を従えた堂々たる竹を描いています。金地の豪華さもさることながら、墨の濃淡だけで立体感や遠近感を表現し、画面の奥に無限の空間を感じさせます。佩川74歳の作品で、一片の迷いもない豪快かつ繊細な筆遣いには、佩川の強靭(きょうじん)な足腰と驚異的な集中力がうかがえます。

 この作品はかつて、佩川のおいである肥前の炭鉱王、高取伊好が愛蔵していました。近代和風建築の粋、高取邸を飾ったこともあったでしょう。

 今年、2017年は佩川没後150年です。

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