特許などの評価方法について、専門家から助言を受ける佐賀銀行の担当者=佐賀市の同行

 佐賀銀行(佐賀市、陣内芳博頭取)は、企業が保有する特許などの知的財産権(知財)を融資の判断材料にする「知財金融」を推進している。低金利での貸し出し競争が激化する中、将来性がある中小企業を新たな融資先として育成するのが狙い。特許庁や九州経済産業局の支援事業を積極的に活用し、ノウハウを蓄積している。

 佐賀銀行は昨年末、西松浦郡有田町の酸化チタン水溶液メーカーに数百万円を融資した。決め手になったのが、酸化チタンと銅を配合したコーティング剤の特許。中小企業が保有する知財の独自性や市場性、成長性の調査費用を特許庁が負担する事業を利用した。

 特許庁の担当者を招いた行員向けの学習会も開催。本年度は新たに照明関連の特許を持つ省エネ機器メーカーへの融資を計画している。

 同行は、知財の活用により企業経営の安定化を支援する「金融機関伴走型支援事業」の支援銀行に九州で初めて選ばれた。九州経済産業局が本年度に始めた事業で、11月中旬から専門家によるセミナーを継続して開き、融資拡大に向けて関連部署の人材育成に力を入れている。

 初回のセミナーでは、知財評価会社「知的資産活用センター」(東京)の吉栖康浩事務局長が講演。特許だけでなく、仕入れや製造、販売体制を丁寧に調べ、企業の収益性や将来性を確かめるよう助言した。

 同行の担当者は「取引先企業に何を尋ね、どこを重視して評価すればいいのか明確になった」と話し、特許を理解することで事業者の販路開拓や取引拡大にもつながると説明。「企業の財務状況だけでなく、事業内容や将来性を冷静に見極める力も身につく」と話す。

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