1986年のサッカー・ワールドカップ(W杯)メキシコ大会は、アルゼンチン代表のマラドーナが主役だった。準々決勝のイングランド戦。左手を使ってゴールに押し込み、「神の手がふれた」とうそぶいた。両国が武力衝突したフォークランド紛争が背景にあって、マラドーナは一躍、国民的英雄になった◆あれから30年余り。来年のロシアW杯の組み合わせ抽選会で、くじ引き役をマラドーナが務め、ふたたび“神の手”に世界中がくぎ付けになった。両腕に時計をはめた独特のファッションで、次々にカプセルを引く◆本大会出場は32カ国だけ。ここから4チームずつのリーグ戦、決勝トーナメントへと進む。それだけに、リーグ戦でどのグループに入るかが鍵になる。“神の手”の裁きで、日本はポーランドなどのH組に。世界ランク55位の日本にとっては、いずれも格上だが、比較的くみしやすい相手に恵まれた◆初戦は6月19日のコロンビア戦。4年前、決勝トーナメント進出を阻まれた因縁の相手であり、ハリルホジッチ監督も「前回のリベンジができる」と力を込めていた◆神の手ゴールの直後、マラドーナはたったひとりで相手守備陣を5人抜き去りゴールを決めた。「世紀のゴール」である。ロシアでは「世紀の番狂わせ」を見たい。もちろんハリル・ジャパンの主役で。(史)

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