佐賀藩が果たした役割をそれぞれの立場で振り返り、現代にどう生かすかを語ったパネルディスカッション=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

 第2回鍋島直正公記念好生館シンポジウム(佐賀県医療センター好生館主催)が2日、佐賀市のホテルニューオータニ佐賀で開かれた。歴史学者で国際日本文化研究センターの磯田道史准教授は「幕末維新と佐賀藩」と題した講演で「自ら価値を作り出す佐賀になって」と呼び掛け、パネルディスカッションでは明治維新期に佐賀藩が果たした役割を振り返り、現代の医療や経済、暮らしにどう生かすかを考えた。

 磯田氏は1834年に佐賀藩の医者古賀朝陽が献上した医学館を、藩主の鍋島直正が好生館と命名した病院の歴史を説明した。1793年に米沢藩の上杉鷹山が建てた医学館好生堂を模倣していると指摘し、「佐賀は物まねができるから発展した」と評価した。技術革新が進む現代に照らし「今は努力や記憶より、発想の面白さや斬新さが重要な時代。他分野の知恵や技術も取り入れて革新を」と語り掛けた。

 パネル討論は佐賀新聞社の中尾清一郎社長がコーディネーターを務め、磯田氏のほか、鍋島報效会の富田紘次主任学芸員、好生館の中川原章理事長が登壇した。

 富田氏は「みんなが安心して暮らせる佐賀藩にしたい」という直正の願いを取り上げ、質素倹約や財政・軍事も必要と考えた哲学を紹介。磯田氏は「日本人は付和雷同。これからの時代は明治維新の成功パターンとは違うものが求められるかもしれない。何を学び、何を学ばないのか見極める必要がある」と述べた。

 シンポは約250人が聴講した。

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