タマネギの苗を植え付ける生産者。今年は天候に恵まれ、作業が順調に進んでいる=杵島郡白石町福田

 全国屈指の生産量を誇る佐賀県産タマネギの苗の定植作業が最盛期を迎える中、生育不良を引き起こす「べと病」について、定植直後の年内防除に効果的な薬剤のデータが、県など関係機関の共同研究で新たに得られた。今年は天候に恵まれて定植が順調に進んでおり、県は資料を農家に配布し、早期防除に力を入れるよう呼び掛けている。

 2016年産はべと病が広がり、記録的な不作となった。出荷量は平年の50~60%にとどまり、兵庫県に抜かれて全国3位となった。17年産は防除の徹底や発病株を抜き取る地道な作業により、一定程度の封じ込めに成功。ただ病原菌は土中に何年も残るため、油断ができない状況が続いている。

 県農業試験研究センターや佐賀大、兵庫県などは昨年から、べと病の防除技術を共同研究。タマネギの成長時期によって薬剤の効果が違うため、実証実験を行いながら結果を随時、現場に落とし込んでいる。

 今回有効性が確認されたのは、「ジャストフィット」「ザンプロ」と呼ばれる2種類の薬剤。主に重点防除期間の3、4月に使われているが、定植直後の12月に散布した場合、発病株の発生率が無散布の20%超に対し、5%未満に抑えられることが分かった。

 県はこれまでも年内防除を指導してきたが、大規模農家は定植優先で手が回らず、天候不順で作業が順調に進まないことも多かった。今年は天候に恵まれて畑の状態や苗の生育も良く、定植が順調に進んでいる。

 県園芸課は数年間連続して薬剤を散布し、病気を抑えることが重要とし、「今年は比較的タイミングがとれるので、年内防除に取り組み、習慣化してほしい。発病株を抜き取る労力の軽減にもつながる」と話す。

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