基調講演をする田村太郎さん=鳥栖市のサンメッセ鳥栖

 鳥栖も外国の人が多いそうだが、一昨年の茨城県常総市の豪雨災害では、外国人は被災地に食べ物が届くとは知らなかったので、救援物資が届くと家族や友達の分、さらに明日の分まで確保しようとしてトラブルになった。

 新潟中越地震では市役所や図書館に言葉があまり分からない外国人や高齢者が集まっていた。指定避難所はすぐにいっぱいになるので、(災害弱者は)避難所として想定されていない市役所などに避難せざるを得なかったのだ。市役所は寒く、リスクが大きい。

 トイレや食事などの課題もある。避難所となった学校グラウンドには電話ボックス型の仮設トイレが設置されるが、段差が高く、しゃがんで用を足すのは大変。バケツの水で流すシステムで、流したらプールからくんでくるルールになっている。こうなると、特に女性は水分を控えてトイレの回数を減らしたくなる。結果としてエコノミー症候群になりやすく、食事がのどを通りにくくなるので誤嚥性肺炎も起こしやすい。阪神・淡路大震災以来の課題だが、改善できていない。

 東日本大震災のとき、食事はお湯か水を入れると食べられるごはんが配られた。これが1週間続くのはつらい。その後、炊いたごはんが届いたが、おかずはない。ふりかけとミックスジュースとチョコレート。炊き出しも避難所によってあったりなかったり。熊本地震では途中で食中毒が出て炊き出しが禁止された。そうなると、おにぎり、パン、ラーメンが続く。塩分が高く栄養が偏る。病気などで食事制限が必要な人は症状が悪化してしまう。

 これまでの災害の避難想定は数日だったが、最近は1カ月は当たり前。長ければ半年間は暮らす。避難所に何が必要か、発想を変えて対応を取っておくべきだ。運営は男性中心になりがちだが、女性こそ積極的に関わり課題を解決していくことが重要だ。

 防災訓練では避難所に行くまでを訓練するが、実際は避難所での生活をどう回すかが大切。避難所生活は過酷だと知ってほしい。

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