女子校生3DCGキャラクター「Saya」

watabokuさんの作品

watabokuさんの作品

名護屋城をモチーフに佐賀大学の学生8人が制作したVR作品体験

 「革新はエッジ(周縁)で起きる。」-そう掲げた表現と技術の最前線を伝えるイベント「FRONT LINE 2017」が佐賀大学で開かれている。仮想現実(VR)やモーションキャプチャ、CGやアニメーションなど各分野の最前線で活躍するゲストクリエーターが、トークショーやセミナーで若い才能を鼓舞する。

 テクノロジーの進化で、誰もが手軽に表現をして発表することができるようになった。同大芸術地域デザイン学部の中村隆敏教授は「教育機関によるヒエラルキーも必要なく、専門の業種に就くことももはや必須ではない」と話し、それを「表現の民主化」と呼ぶ。技術の進化で物理的な距離も表現の妨げにならなくなってきたとして、「独特の文化や伝統が息づく地方(周縁)だからこそ、都会では生まれない革新が生まれることもある」とイベントを企画した。

 イベントのメーンは、2、3の両日に伝えられるクリエーターの生の声。ゲストクリエーターによるワークショップやトークショー、セミナーがあり、表現にまつわる苦労や作品作りのプロセスなど、創作活動の秘話が披露される。美術館では会期中、登壇するクリエーターらの作品のほか新型ドローンなどが展示され、佐賀大学の学生8人が制作したVR作品を体験できる。ドローンは3日午後1時からデモも行われる。

 鳥栖市出身のイラストレーターwatabokuさんは、まっすぐこちらを見つめる少女の瞳が印象的なデジタル作品を展示する。柔らかな色合いの中にある硬質な冷たさが特徴的で、SNSなどを通じ国内外に多くのファンを持つ。トークショーは2日午後2時15分から。

 精巧な女子校生の3DCGキャラクター「Saya」で話題をさらったTELYUKAは、石川晃之さんと石川友香さんの夫婦ユニット。元は建築の仕事をしていたが、独学で技術を身につけて3DCG作品を制作をしている。「不気味の谷を越えたCGキャラクター」といわれ自然なかわいらしさを持つSayaが、オーディション「ミスiD」でセミファイナリストに残ったことも記憶に新しい。トークショーは2日午後3時半から。

 中村教授は「新技術の見本市とは少し違う」と言い、「新しい技術を使った新しい表現を見せる場。そこにある観察力や表現力、発想力に着目してほしい。若いクリエーターが、オリジナルの表現を追求するための刺激になれば」と話す。

 期間中は全国の学生が作ったアニメーション43作品が上映される「ICAF2017」もあり、九州での公開は同館のみ。

 

■タイムテーブル■(大学会館)

<2日>

10時45分 江口平昭さん(デルタ・ソリューションアンドマーケティング執行役員)講演

14時15分 watabokuさん(デジタルアーティスト)トークショー

15時半  TELYUKAさん(Garatea

Circus代表)トークショー

<3日>

11時   簗瀬洋平さん(ユニティ・テクノロジーズジャパン研究者)講演

14時   浅尾芳宣さん(福島ガイナックス代表取締役)セミナー

15時   衞藤一郎さん(NAKEDアートディレクター)講演

16時   トークセッション(中村隆敏教授、簗瀬洋平さん、浅尾芳宣さん、watabokuさん、衞藤一郎さん)

 

▼佐賀市本庄町の佐賀大学美術館で3日まで。入場無料。

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