地域社会で脈々と続く営みが目に留まりました。武雄市武雄町の理容業宇津上慶子さん(76)は、武雄小の子どもたちの登校時の見守りを続けて40年超。交通量の多い三差路に立ち、横断を助けてきました。

 「おかげさまで無事故です。卒業した中高生や大人まで、町で『おばちゃん』と声を掛けてくることがうれしい」

 佐賀市高木瀬東の辻中央団地の有志は、47年に及ぶ団地の歩みを冊子にまとめました。折々の暮らしを振り返る手掛かりでもあり、総班長の山北萬里子さんは感慨深げです。

 「この団地史は住民みんなの宝もの。ずっと引き継いでいきたい」

 形にした記憶は、支え合う地縁の心強さを実感する記録でもあるのでしょう。

 地域社会に問い掛ける裁判もありました。体が不自由な70代の妻を殺害したとして、殺人罪に問われた鹿島市の70代男性の裁判員裁判。吉井広幸裁判長は執行猶予付きの判決を言い渡す中で指摘しました。

 「適切な支援が行き渡るような医療や公的支援、地域社会のより良い仕組みがあれば犯行は避けられた」

 高齢化や核家族化で、孤立しがちな介護者にどう寄り添うか、重い課題が残ります。

      *

 諫早湾干拓事業問題で国が開門しない方針を決めてから初めて、農相が有明海を視察。漁業者は堤防閉め切り後の漁場の悪化を訴えましたが、農相は基金での解決策を繰り返しました。

 「大臣9人にお願いしてきたけど、何一つ変わっていない」

 有明海再生に向けての開門調査の思いが届かず、県有明海漁協鹿島市支所の中村直明運営委員長はいらだちを隠せません。

 漁業者の表情が曇るニュースは他にも。米軍輸送機オスプレイの事故率を巡って防衛省が、従来の説明より上昇したことを公表。自衛隊機の佐賀空港配備計画に絡み、駐屯地予定地の地権者の多くが所属する県有明海漁協の徳永重昭組合長は懸念を示しました。

 「機体の問題なのか、操縦技術なのか、国には米側に原因をしっかり確認してほしい」

      *

 3年ぶりの一桁順位を確定させたサッカー・J1サガン鳥栖。来季のスローガンを「頂(いただき)」とすることを発表したサガン・ドリームスの竹原稔社長は力を込めます。

 「タイトルに向かって進んでいく」

 基山町出身で、プロ野球・横浜DeNAベイスターズの濵口遥大投手はセ・リーグ新人特別賞を受賞。10勝を挙げた奮闘が評価されましたが、貪欲です。

 「予想よりはよくできた1年。でも満足はしていない」

 気持ちはもう、来年に向かっています。(年齢、肩書は掲載当時)

このエントリーをはてなブックマークに追加