生前着用していた着物や代表作のレコード盤などを展示する「村田英雄記念館」=唐津市相知町

 吹けば飛ぶよな将棋の駒に…。おなじみの名歌「王将」を歌った村田英雄だが、唐津市相知町には「村田英雄記念館」がある。なぜここにあるのかというと、村田英雄は福岡県浮羽郡吉井町(現・うきは市)に生まれ、生後すぐに浪曲師梶山春雄夫妻の養子となった。そして3歳の時、一家は東松浦郡相知町(現・唐津市相知町)に引っ越したからである。

 4歳で浪曲の初舞台を踏み、酒井雲坊を名乗り14歳で座長となった。浪曲界のホープとして活躍した後、29歳で古賀政男に注目され、「無法松の一生」で歌手デビュー。昭和36(1961)年に出した「王将」は、戦後記録的なヒット曲となった。

 その後も「人生劇場」「皆の衆」「花と竜」「夫婦春秋」などのヒットを連発し、昭和を代表する歌手として一時代を築いた。

 平成16(2004)年、業績と人柄を後世に伝えるため、相知町の有志が発起人となり、旧佐賀銀行相知支店を改装して、生前着用していた着物や代表作のレコード盤を展示し、楽屋再現コーナー、音響室を設置した。

 入館者数はこれまで約10万1千人。浪曲ブームもあって年配の人が多いが、中には若い人も訪れるという。

 業績をたたえて相知町では昨年まで「村田英雄音楽祭」が毎年開催されていた。最近、唐津出身の女の子によるバンドや歌手が全国的に活躍しているが、音楽好きの私としては「村田英雄音楽祭」が復活し、唐津市がいろんなジャンルの音楽の発信地となれば楽しい。

 たなか・まこと フリーの編集者で、民俗学、歴史を中心に編集・執筆活動を行う。1954年生まれ。唐津市桜馬場。

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