「子どもの貧困」をテーマに話す浅井春夫立教大学名誉教授(奥)=佐賀市のほほえみ館

 「子どもの貧困」をテーマにした講演会(佐賀県主催)が28日、佐賀市のほほえみ館であった。浅井春夫立教大学名誉教授が、貧困率という数字だけではなく、子どもたちに何が起きているかという実態を捉え、解決策を展望する大切さを強調した。

 2015年の日本の子どもの貧困率が13・9%で、1985年の10・9%を3ポイント上回っていることや、2012年の別の調査では佐賀県でも子どもの10人に1人が貧困状態にあるという数値を示した。その上で、現代の日本で起きている事象として、給食がない夏休みを経て10キロも痩せて2学期に登校した中学生や、養護教諭が持参したおにぎりを食べるために早朝、正門が開くのを外で待つ小学生のケースなどを報告した。

 貧困の背景には「非正規雇用の拡大がある」と構造的な課題を指摘し、労働実態を見つめ直すとともに、貧困世帯への税控除と社会保障でのバックアップ体制の強化を提言した。

 また、参加した学童保育の支援員や行政関係者ら約60人に「大人が子どもに『見捨てない』というメッセージを送れるかが問われている。人間を大切にする国にするために、それぞれの持ち場で行動を」と語りかけた。

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