© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

監督 セオドア・メルフィ

出演 タラジ・P・ヘンソン、ケビン・コスナー 他

配給 20世紀フォックス映画

 

 

NASAによる宇宙開発を支えた女性たち。その活躍に心がおどる!

 『ドリーム』は、米国の宇宙開発史に実在した、黒人の女性数学者にスポットを当てた映画。数字が苦手な私にとって“数学者”は別世界の人。なのに本作のヒロインの活躍は、私に大きな共感と感動を与えてくれた。

 米国がソ連と激しい宇宙開発競争を繰り広げる1961年。NASAの研究所には、ロケットの打ち上げに不可欠な計算を行う人々がいた。その黒人女性チームの一人で、天才的な数学の才能を持つキャサリンは、特別研究本部へ異動になる。しかしオフィスには白人男性ばかり。黒人差別が色濃く残る時代。キャサリンへの視線は冷たく、必要な書類は渡してもらえず、コーヒーポットも別。彼女は忙しい合間をぬって、遠く離れた非白人用トイレまで駆けていかねばならない。また黒人チームのリーダー格のドロシー、エンジニア志望のメアリーも、キャリアアップを阻まれる…。

 黒人で女性という、二重に弱い立場のヒロインの環境は過酷だが、映画に重苦しい雰囲気はない。3人の行動はパワフルで痛快、会話もユーモアたっぷり。60年代のカラフルなファッションの効果もあって、心おどるエンターテインメントになっている。

 差別に耐え、いちずに仕事に取り組むキャサリンは、やがて上司に認められ、国家事業で重要な役割を担う。未来が開かれるとき人種や性別は関係ないことを、この映画は教えてくれる。さらにコンピューター時代の到来を察知したドロシー、諦めなかったメアリーもチャンスをつかむ。国や時代は違っても、3人と同様に仕事でくやしい思いをしている人は多いはず。そんな働く人々に勇気をおくる映画でもあるのだ。

(シネマライター・KAORU)

Side Story

偉業を手助けしたヒロイン

© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

 映画の背景となるのは、米国初の有人宇宙飛行計画「マーキュリー計画」。ヒロインのモデルとなったキャサリン・G・ジョンソンは3人の子どもを育てながらNASAのラングレー研究所に勤務し、ジョン・グレンの地球周回軌道飛行、さらには1969年月へのアポロ飛行の計算を手掛けた数学の天才だ。

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