東南アジアの中心に位置し、マレー半島とボルネオ島の一部から成るマレーシア。ANAとマレーシア政府観光局協力のもと巡った首都・クアラルンプール、世界遺産の町・マラッカ2泊4日の旅を振り返る。

 

歴史と文化が混ざり合う世界遺産の街・マラッカ

 マレーシアは日本から直行便で約7時間。赤道のすぐ近くに位置し、四季はなく1年中夏。日本との時差は1時間で過ごしやすい。マレー系、中華系、インド系の3つの民族と、多数の先住民族が暮らす多民族国家だ。羽田空港からの深夜便に乗り、早朝にクアラルンプール国際空港に到着した。1日目はクアラルンプールから車で約2時間、マラッカへ向かう。

 

クルーズは45分ほど。民家や伝統建築物、近代的な建物など、船がすすむごとに景色は表情を変える

 400年以上ヨーロッパの列強国に支配されていた歴史を持つ古都・マラッカ。ヨーロッパとマレーシアのエッセンスが融合した町並みは独特で、2008年にユネスコ世界文化遺産に登録された。到着してすぐ、町並みを船から楽しむリバークルーズを体験した。赤茶色のトタン屋根が特徴的な住居や色鮮やかに装飾されたゲストハウス、レストランなどを眺める。夜にはイルミネーションに明かりがともり、観光客に人気だそうだ。

 

 クルーズの後は観光客でにぎわう旧市街を散策。特に活気あふれるメーンストリートは「ジョンカーストリート」と呼ばれ、カフェや屋台、土産物店などが軒を連ねている。他民族ゆえに国教・イスラム教以外の宗教も認められているマレーシア。ジョンカーストリートから脇に入った「ハーモニーストリート」にはモスク、寺、ヒンズー寺院が並ぶ。通りの名の由来は、さまざまな宗教が融合していることから。他民族国家ゆえに他の宗教を排除しないマレーシアの懐の深さを感じた。

週末の夜にはナイトマーケットも開催するジョンカーストリート
ハーモニーストリートにあるマレーシア最古の仏教寺院「青雲亭(チェンフーテン)」
 

 

セントポールの丘にあるザビエル像

 マラッカの名物スポット「オランダ広場」。1753年に建てられたキリスト教教会や元オランダ総督邸だった「スタダイス」などがある。スタダイス横の階段をのぼりセントポールの丘を目指す。ポルトガル支配下にある頃、キリスト教布教の拠点として建てられたセントポール教会の跡地だ。宣教師フランシスコ・ザビエルにゆかりがあり、マラッカ海峡を見下ろすようにザビエルの像が立っている。現在は教会の外壁と、当時のポルトガル人の墓石が残されている。広場から階段を下りてサンチャゴ砦(とりで)に向かう。ポルトガル軍がオランダとの戦いのために作った要塞(ようさい)で、現在は石造りの門と大砲のみが残っている。

 

観光客でにぎわうオランダ広場
セントポール教会跡。ザビエルの遺体が一時安置されていた歴史もある
中世ヨーロッパのデザインを今に伝えるサンチャゴ砦

 

 

 

 

 

 

 マラッカの要所を巡った後は、中国料理とマレー料理をミックスした名物「ニョニャ料理」を食した。エビのみそを使った空心菜の炒め物やチキンとポテトの煮込みなど、日本人にも親しみやすい味付けの物が多く美味。料理は大皿で提供され各自の平皿にはご飯、好きな料理をその上にかけ、おかずと混ぜながら味わうのだと教えてもらった。

マラッカ名物ニョニャ料理
おかずを好きによそい、混ぜて味わう
 

 

 

 

 

 

 

 

 

モスクに入るための女性用ローブ

 クアラルンプールへ移動する途中、新行政都市・プトラジャヤのプトラモスクへ立ち寄った。プトラモスクは別名「ピンクモスク」。その名の通り、外壁から内装に至るまで、美しいピンク色だ。観光スポットではあるがモスクは祈りの場所。イスラム教徒以外の観光客は、定められている祈りの時間を除いて中に入る。その際、女性は無料で貸し出ししているローブを身につけ、肌と髪を隠さなければならない。中に入ると天井が高く荘厳な雰囲気。無信心の私でも身がひきしまるような緊張感だった。

 

 

ピンクモスク周辺はカフェや土産物店も充実
モスク内も一面ピンク色
 

 

 

 

日本でいう水炊きのような鍋「スチームボート」

 夕食はマレーシアの鍋「スチームボート」を味わった。鶏のスープに、鶏肉や白菜、豆腐、エビ、魚のすり身などとにかく具だくさん。具材は、しょうゆダレやチリソースに付けて食べる。シメは春雨とちゃんぽんのような麺を入れ、さらに卵とじにする。日本人、特に九州人にはなじみのある味わいだった。

 

 

発展著しい首都クアラルンプール

スフィンクスのオブジェがインパクト大のサンウェイピラミッドモール

 2日目は首都・クアラルンプールを巡る。不動産開発を手がけるマレーシアの複合企業・サンウェイグループが開発した「サンウェイリゾート」を見学した。もとは錫(すず)鉱山だった跡地を利用し、テーマパーク、ホテル、ショッピングセンター、学校、私立病院などが並ぶ、もはや一つの都市である。クアラルンプール屈指の5つ星ホテル「サンウェイリゾートホテル&スパ」をはじめとした3つのホテルやマレーシア最大級の規模を誇るショッピングセンター「サンウェイピラミッドモール」、プールやアトラクションが楽しめるテーマパーク「サンウェイラグーン」など広大な敷地にさまざまな系列施設が立ち並ぶ。買い物、宿泊、遊びと幅広く体験できるので、旅行で訪れた際にはこのエリアだけでも十分に楽しめそうだ。

 

趣味はゴルフという岡さん。プレー料金が安価なこともあり、週5で通っているそう

 昼食を取りながらマレーシア在住のロングステーヤーから話を聞いた。長期滞在ビザ「MM2Hビザ」を取得することで最長10年間滞在可能。温暖な気候や食事もおいしく、親日的であることから、マレーシアは11年連続で「日本人が住みたい国第1位」(ロングステイ財団調べ)となっており、セカンドホームを持つ日本人が増えてきている。2年前からモントキアラに在住する岡卓志さんもその1人。マレーシアは日本人コミュニティーも多く、現地の人も親日的で、日本人のことをリスペクトしてくれるのでとても住みやすいと話していた。

 

 

 

フレッシュなスイカジュースはぜひ飲んでほしい

 昼食時にスイカジュースを勧められた。マレーシアでフルーツジュースを頼むと、果物を搾ったフレッシュジュースを提供されることが多い。スイカの鮮やかな赤が目をひき、一口味わうとまさにスイカを食べているよう。甘さ控えめであっさり、マレーシアの暑さにぴったりだ。

マレーシアの中華料理。日本では見たことのないメニューも

 

 

 

 

 

 

 

マレーシア市民にも観光客にも便利なLRT

 インフラが整備されつつあるマレーシア。市民や観光客の足として活躍する高架鉄道(LRT)にも乗車した。マレーシアでは車が多く交通渋滞も多い。観光などで効率よく移動するには鉄道をうまく利用するのがオススメだそうだ。電車に揺られ移動したのはセントラルマーケット。マレーシア土産としてポピュラーなマンゴーグミやチョコレート、コーヒーなど食品のほか、イスラム教徒の女

店がひしめきあうセントラルマーケットは、屋内なので雨がふっても安心

性が身につける色鮮やかなスカーフ、保湿効果が高く女性に人気の「ナマコ石けん」などが並び、ここに来ればお土産購入に困ることはなさそうだ。

 

 

 

安価なものから刺しゅうの入った高価な物まで、バリエーション豊富なスカーフ
メードインマレーシアのナマコ石けん。まとめ買いしていく人も多いそう
 
 

 

 

 

真下から見ると大迫力のペトロナス・ツインタワー

 クアラルンプールのシンボル的な存在である「ペトロナス・ツインタワー」も一目見ておきたいスポット。地上88階建ての452m、ツインタワーとしては世界一の高さを誇り、日本と韓国の建設会社が建てたことでも知られる。昼はタワーの真下からその高さにただただ圧倒され、夜は少し離れた場所から闇に美しく光り浮かび上がるさまに魅了される。それぞれに見応えがあり、ぜひ昼と夜、間近からと遠くからと何度も見て欲しい。旅の締めくくりの夕食はマレー料理を堪能した。ココナツミルクが多く使われ、ご飯にもアルコールにも合う味付けだった。

 

マレー料理。魚とバナナを煮込んだカレーのような料理が美味

 マレーシアは自然と人工物、古い物と新しい物、国独自の物と外の物、対比される物がうまく融合した魅力深い場所だと感じた。今回はクアラルンプールとマラッカのみを巡ったが、マレーシア屈指のリゾート地・ペナン島や99の島から成るランカウイ島、多種多様な動植物の楽園コタキナバルなどまだまだ観光地は盛りだくさん。未知の魅力を求め、2度3度とまた訪れてみたい。

 

 
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