公設民営の温泉保養宿泊施設「タクア」(旧ゆうらく、多久市北多久町)で大浴場や屋内プールの漏水が発覚し、来年2月の開業予定を延期した問題で、運営会社がスタッフや調理師として採用を予定した約30人の内定を取り消していたことが27日、分かった。運営会社は「多久市による大規模な止水工事が始まり、(温泉など)施設の営業ができないため」と説明している。

 運営会社は、長崎環境美化(長崎市)の子会社タクア(多久市)。採用予定者に送られた内定取消通知によると、9月に地下機械室で漏水があり、その後、大規模な漏水が発覚し、市が再度改修工事に着手した経緯を記している。追加工事が4月下旬まで予定され、「開業に向けた計画の大幅な見直しを迫られた。未来あるみなさまを採用することは困難」とした。

 タクアは、佐賀新聞の取材に「工事終了後、開業への見通しが立てば、今回取り消した内定者を優先して採用することを考えたい」と語る一方、「実際のところ、開業は全くの未定」とも話している。

 市は内定取り消しの理由や人数について「情報をつかんでいない」とし、国民健康保険の変更などで市やハローワークに数人が相談に訪れたという。

 運営スタッフに採用され10月末に食品工場を退職した40代の男性は「市が本格的な漏水対策に乗り出せば、採用されると信じていた」と内定取り消しに困惑する。市が運営会社に工事期間中の補償を検討していることに触れ、「補償されるのは親会社から出向してきた一部幹部だけだろう。本来なら雇用を約束し、待たせた揚げ句、11月分の給与も与えなかった内定取り消し者に支払われるべき」と憤った。

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