Q.私は昔から大の韓国ドラマファンです。社会現象にもなった有名な韓国ドラマで、婚約していたヒロインが初恋の人のそっくりさんが現れて動揺したため、焦った婚約者がヒロインに暴行。そのためいったんはヒロインが婚約破棄を言い出しますが、体調を壊した婚約者に同情して、またよりを戻します。そして、結婚式の招待状を出すまでになったのですが、初恋の人のそっくりさんが実は事故で記憶を失くしていた初恋の人その人と分かり、ヒロインが婚約者の元を去り、その人のところに駆け付ける有名なシーンがあります。涙なしでは見ることができないシーンですが、本当にこんなことがあったらどうなるのですか。

A.ヒロインのいちずな思い、傷付きながらもヒロインを初恋の相手に送り出す婚約者、確かに感動的なシーンですね。しかし、これが現実となると大変なことになります。

 婚約した当事者は将来の結婚を約束したものであり、結婚の強制はできませんが、お互いに将来の結婚に向けた誠実な努力が求められ、もし正当な理由なく婚約を破棄すれば、相手方に対して賠償義務を負います。

 ヒロインの1回目の婚約解消の申し出は、婚約者の暴行があり、不当破棄とまでは言えませんが、初恋の人の元に駆け付ける2回目は全く正当な理由がなく、婚約者に対して損害賠償をしなくてはなりません。

 賠償の主なものは慰謝料ですが、一般に挙式が近くなればなるほど額も高くなる傾向にあります。また、式場や披露宴の申込金、招待状の費用、新居の準備費用など、結婚の準備に要した費用も賠償の対象になります。

 もし、相手方が寿退社をしていたなら、退職による逸失利益も賠償しなければいけない可能性があります。さらに、結納金をもらっていたなら、結納金の返還も必要になります。

 一途になるのもいいのですが、相手方に対する責任も考える必要があるのです。(弁護士 大川正二郎 佐賀市)

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