火の粉を飛ばし、薪を投げ入れる職人。薪は赤松を使う=有田町の今右衛門窯

年に1、2回しか窯焚きを公開しない柿右衛門窯。めったに見られない光景を写真に収める人も

 開催中の秋の有田陶磁器まつりに合わせ、佐賀県有田町内5カ所の窯が25、26の両日、伝統の薪(まき)窯焚(た)きを公開した。県内外から訪れた観光客は、職人が炎を噴き上げる窯に次々と薪を放り込む作業に見入り、写真に収めていた。

 前日の朝に火を入れた赤絵町の今右衛門窯では、温度を一気に上げる攻め焚きを公開した。担当者が、職人3人が仮眠をとりながら40時間以上焚き続けることや、窯に入れたテストピースで窯内の温度や発色具合を確かめることなどを説明した。見学者は、一度に使う薪の量やテストピースの取り出し方などを質問しながら、一瞬一瞬で表情を変える炎に見入っていた。

 福岡市から家族とともに訪れた田中裕美さん(50)は「解説が丁寧で、作業の流れがよく分かった」と話し「火の勢いがすごい。職人さんが炎と格闘している感じがした」と、興味深げに作業を見守った。

 伝統の濁手(にごしで)作品を焼き上げる南山の柿右衛門窯では、攻め焚きから1300度の温度を約10時間キープする「上げ火」を披露した。窯焚きは1回で500~600点を焼き上げる。窯焚きの作業に約30年間当たる大塚昌彦さんは「多くの職人が関わった作品の最終段階。責任は重い」と真剣なまなざしで炎を見つめた。

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