「知っているようで 知らない 明治」の展示状況

 いつしか紅葉真っ盛り、と言いたいところだが、今年は季節はずれの台風で既に落ち葉ばかりが目立ち、町内が紅葉で輝く例年の姿を思うとやや拍子抜けである。

 その有田の紅葉の名所の一つ、有田町歴史民俗資料館では、現在、恒例の秋の企画的が開催されている。12月20日(水)まで。来年は、明治維新150年。そろそろ冠を掲げたプレ企画も各地で目にするようになった。例に漏れず有田町でも、「知っているようで 知らない 明治」のテーマで、明治期の有田とは何ぞやという内容を大胆かつ詳細に紹介している。

 展示は「1.明治の有田」「2.万国博覧会」「3.学校」「4.町のうごき」の4部構成で、本来はとっくに忘れ去られ、まさか現存しそうもないレアな資料の数々が展示されている。そこは、「ゴミすら宝」が信条の資料館。手前みそだが、よくここまで残したものだと感心する。たとえ百万言を費やそうとも、偶然ゴミとならなかったただ一片の本物が訴えかける迫力は、何事にも代えがたいものがある。

 有田は、良くも悪くも強烈なまでに進取と保守の精神が町内に凝縮された、ある種の特異なコミュニティーである。明治の有田も単に町の中で歴史が完結したわけではなく、全国や世界との交流の中で、町の磨き上げが行われてきた。その一旦でも、展示の中でお伝えし、有田人の魂を感じていただければ幸いである。(有田町教育委員会学芸員・村上伸之)

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