自ら企画したマルシェで、野菜や果物などを販売する「カチカチ農楽が~る」のメンバー

「カチカチ農楽が~る」会長でレンコン農家の黒木貴子さん。メンバー同士のネットワークが販路拡大にもつながっていると話す=杵島郡白石町

 佐賀県内の女性農業者グループ「カチカチ農楽が~る」が結成され、22日で1年を迎えた。女性の就農を応援するため農林水産省が2013年に始めた「農業女子プロジェクト」の登録者を核に、自ら生産する野菜や加工品を持ち寄ってマルシェ(市場)を開いたり、商談会に参加したりと精力的に活動。それぞれが持つネットワークや情報を共有し、販路開拓にもつなげている。

 メンバーは20~60代の20人。生産するのは花や茶、野菜や乳製品、鶏肉加工品など多岐にわたる。補助金は受けず、チラシなどを自分たちで手作りし、一体となってPRしている。

SNS駆使  

 「自ら動かないと販路はできない」。会長を務める杵島郡白石町のレンコン農家・黒木貴子さん(50)は強調する。商談会などで販路拡大につながる情報を耳にすれば、SNSも使ってメンバー同士で共有する。「みんな自分の商品に誇りを持っている。今の消費者は顔を見て買うのが一番安心するし、バイヤーもそういうものを求めている」と話す。

 会員のイチゴ農家と茶農家が協力し、コラボ商品も作った。メンバーがそれぞれに獲得してきたファンの集客に期待し、地元スーパーから販売会を開いてほしいと声が掛かることも。今後はメンバーの商品を集めたギフト商品を作り、他県にPRに出向くことなども検討中だ。

生まれる自信 

 農水省は今月、女性農業者の活躍推進に関する意識調査の結果を公表し、農業経営で女性が重要な役割を果たしているとする回答が約9割に上った。理由は、「担い手としてなくてはならない存在だから」が76・9%と最も多く、「経営の多角化に取り組む傾向がある」(37・8%)、「収益性が高い傾向がある」(34・2%)が続いた。

 ただ、女性の進出が難しい現状もある。調査では女性農業者が活躍するための課題として「女性が働きやすい職場環境の整備」(69・9%)、「ネットワークづくり」(49・7%)、「男性の意識改革」(45・5%)が上位を占めた。

 黒木さん自身も、研修会参加の案内が夫の名義で届くなど、何気ない日常から男性社会を意識する。ただ会の活動を通じ、メンバーに担い手としての自信が生まれていることを実感している。

 「これまで職業欄に『自営業』や『主婦』と書いていたのが、『農業』と書けるようになったと話してくれたメンバーがいた。自分も男性と肩を並べて仕事をしているんだと思えるようになったのでは」と黒木さん。今後も女性農業者を前向きにできる活動をしていきたいと話す。

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