国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防と北部排水門で仕切られた諫早湾(左)と調整池(右)=4月18日、長崎県諫早市(ドローンで撮影)

 国営諫早湾干拓事業を巡り、潮受け堤防内の調整池から大量の淡水が諫早湾へ排水されていたことについて、農水省九州農政局は排水門の補修が理由だったことを明らかにした。斎藤健農相が13日に有明海を視察した際、佐賀県側の漁協関係者から疑問視する声が上がっていたため、排水門を管理する長崎県に確認した。

 潮受け堤防には北部排水門と南部排水門が設置されている。九州農政局によると、佐賀県有明海漁協の「小まめに排水してほしい」との要請を受け、雨によって調整池に川の水が大量に流れ込むケースなどを除き、通常は排水量を1回当たり100万トン以下に抑えているという。

 視察時の意見交換では11月3日に約820万トンが排水されていたことを漁協関係者が指摘し、斎藤農相は「事実関係を確認しないといけない」としていた。

 その後、長崎県への聞き取りで、北部排水門のゲート1枚の塗装工事で4日以降に開閉操作ができなくなるため事前に大量に排水していたことが分かった。平日の日中は佐賀県に排水の事前情報を出しているが、排水した3日は休日で出していなかった。

 10月31日にも約500万トンが排水されたが、降雨が理由で、事前情報は出ていた。佐賀県西南部の漁業者を中心に、排水による有明海の漁業環境への影響を指摘する声がある。これに対し九州農政局は「淡水の排水によって海の塩分濃度が低下する影響は堤防から6キロの諫早湾内にとどまり、調整池の水質にも問題はない」と強調している。

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