新規制基準による原子力規制委員会の審査に事実上合格した九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)の再稼働に関し、佐賀県の全自治体と福岡、長崎両県の原発30キロ圏に入る計28自治体のうち6割の17自治体が再稼働の前提となる「地元同意」の対象範囲の拡大を求めていることが、共同通信が10日まとめた首長アンケートで分かった。佐賀の4市町を含む5自治体が再稼働に慎重なことも判明した。地元側の対応方針決定に時間がかかり、再稼働時期が遅れる可能性がある。【共同】

 九電川内原発(鹿児島県薩摩川内市)や関西電力高浜原発(福井県高浜町)などが再稼働した際の地元同意の対象は、立地する県と市町に限られていた。佐賀県の山口祥義知事は年明け以降、再稼働に関して県内全首長の意見を聞く方針。幅広く周辺自治体の意向が反映される形で議論が進めば、これからも各地で続く再稼働を巡る合意形成の新スタイルとなりそうだ。

 地元同意の範囲に関し、17自治体が周辺や避難先などに対象を広げるべきだと回答した。理由としては「事故時の影響は立地自治体と同じ」などが挙がった。このうち唐津市は「その他」を選択したが唐津を含めるべきだとした。これまでと同じ「立地自治体だけ」との回答は鳥栖市、玄海町、有田町の佐賀3市町と、長崎県佐世保市の計4自治体にとどまった。

 再稼働の是非に関しては、避難計画策定が必要な原発30キロ圏内では、伊万里市の塚部芳和市長が「避難道路や防災無線の整備が不十分」、離島を抱えて避難が難しい長崎県壱岐市の白川博一市長が「100%安全といえない」としてそれぞれ反対。圏外でも嬉野市が東京電力福島第1原発の事故処理が済んでいないと反対し、「どちらかといえば反対」の神埼市と吉野ケ里町も含めた佐賀3市町が消極姿勢を示した。

 「賛成」は玄海町だけで、「どちらかといえば賛成」は12自治体だった。福岡、長崎両県は賛否を示さなかった。原発の将来像については「段階的に廃止する」が半数以上の16自治体に上った。

 アンケートは28自治体の首長を対象に、11月に実施した。

 玄海原発再稼働に関するアンケートの対象自治体は次の通り。

 ▽原発30キロ圏が入る

 佐賀県、福岡県、長崎県、東松浦郡玄海町、唐津市、伊万里市、福岡県糸島市、長崎県松浦市、佐世保市、平戸市、壱岐市

 ▽30キロ圏が入らない

 佐賀市、鳥栖市、多久市、武雄市、鹿島市、小城市、嬉野市、神埼市、吉野ケ里町、基山町、上峰町、みやき町、有田町、大町町、江北町、白石町、太良町

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