諫早湾干拓事業を巡る訴訟の和解協議で国が提示している総額100億円の基金案について、佐賀県有明海漁協は10日、拒否する方針を固めた。国側が「開門しないことを条件とする和解が成立しない場合、基金の実現は難しい」との立場を明確にしたことで反発を強めた。福岡、熊本両県漁連と協議し、正式な対応を決定する。

 有明海沿岸4県と各県の漁業団体は、開門の是非に踏み込まない条件で基金案の協議を重ねてきたが、国は11月末に関係者に示した基金の最終案の文書で、初めて立場を明記した。

 佐賀市の漁協本所で開いた運営委員長・支所長会議で対応を論議し、「基金案の条件が開門要求の放棄であることが明らかになった以上、受け入れるべきではない」との声が挙がったという。徳永重昭組合長は「開門が有明海再生の手段の一つであることに変わりはない」と強調し、今後も福岡、熊本両県漁連と行動を共にしていく考えを示した。

 基金の最終案は12日の和解協議で正式に示される予定。訴訟当事者である開門派の漁業者側弁護団はすでに否定的な見解を示しており、基金案による和解は困難な見通し。

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