増床から1年がたつゆめタウン佐賀。平日の客数が増えているという=佐賀市兵庫北の同店

 佐賀市兵庫北の大型商業施設「ゆめタウン佐賀」の増床オープンから22日で1年がたつ。売り場面積は運営するイズミ(広島市)の店舗で最大となり、市外からの来店客も増えているという。買い物だけでなく、店内で食事を楽しむ家族連れも多く、周辺の大型店や食品スーパーに加え、飲食店との顧客争奪戦も激化している。

 増床のコンセプトは「3世代で楽しめる」。ベビー・子供服を充実させ、雑貨店のロフトなど県内初出店のテナントも誘致。開業10年の目玉として47億円を投じ、伸び悩んでいた20~30代の「ヤングファミリー」の獲得に照準を絞った。

 力を入れた子供服売り場は平日でも親子連れが目立つ。唐津市からママ友と訪れた30代の女性は「(県内の)ほかの店よりブランドが多いのが魅力」と話す。

 増床に伴い、既存棟を含め55店が新規出店し、全体の専門店は215店に増えた。店舗数でもグループ最大規模となり、高橋邦典支配人は「平日の客数増が顕著。滞在時間も長くなっており、集客の余地はまだある」と強気の姿勢を示す。

 市内には佐賀玉屋をはじめ、イオン佐賀大和店、モラージュ佐賀といった大型店がひしめく。完全な“オーバーストア”との指摘もあるが、イオンの金丸秀昭店長は「子供服の売り上げも前年を上回っている。客の奪い合いというよりも、さらに広域から人が集まっている」と印象を語る。

 モラージュ佐賀も週末の来店客は堅調といい、「ゆめタウンの渋滞を敬遠し、こちらに流れてくる客もいる」と鍋島貴仁総支配人。冷静に受け止める一方で、販促イベントを増やすなど対策を強めており、集客に苦戦する近くの食品スーパーは「大型店同士が張り合うほど、あおりを受けるのはわれわれ小規模店」と危機感をあらわにする。

 イズミは当初、増床後の来店客の割合を佐賀市内4割、市外6割と想定。数字は明らかにしていないが、現状は「市内6割、市外4割」(高橋支配人)とし、足元の消費も取り込む。

 東京商工リサーチ佐賀支店は「ゆめタウンで買い物し、食事も済ませるという消費スタイルが定着しつつある」と説明。周辺の飲食店にも増床の影響が広がっているとみる。

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