SFアニメの金字塔「機動戦士ガンダム」に、「黒い三連星」と呼ばれる3人組のパイロットチームが登場する。黒く塗装した人型ロボットに乗り込み、主人公アムロ・レイを苦しめるという役どころで、敵役ながら大変な人気があった◆こちらの3人は息の合った連携とはいかなかったようだ。国会の代表質問である。安倍晋三首相の所信表明演説に対して、衆院選で分裂した民進党の流れをくむ3党のトップが論戦デビューした◆野党第1党となった立憲民主党の枝野幸男氏は、政府の改憲方針に「今の憲法を守ってから言え」とけんか腰。希望の党の玉木雄一郎氏は、中心が二つある楕円(だえん)を持ち出して「一方の中心になる」と1強に挑む。民進党の大塚耕平氏は日銀出身の「政策通」らしく、アベノミクス批判を展開した◆まさに三者三様。そこには巨大与党に立ち向かうために力を合わせるという発想はないようだ。かつて同じ釜の飯を食った間柄とはいえ、たもとを分かった経緯がある。今さら共闘でもないのかもしれないが、このままでは圧倒的な「数の力」に押しつぶされはしないか◆黒い三連星は、3人の個性が融合して初めて威力を発揮する。三位一体の戦法は忍者の分身さながら。個々ではかなわなくてもチームならという、いわば弱者の兵法である。さて、野党の面々は。(史)

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