文字が読みづらい人のため、新聞記事など利用者の要望に応えてボランティアが電話で朗読している=佐賀市立図書館

 視覚障害や高齢などで文字を読むことが難しい人向けに対面朗読してきた佐賀市立図書館のボランティアが、電話朗読を始めた。来館が困難な人やすぐに文章の内容を知りたい人に対応する試み。例えば、新聞記事の日付やページで記事を指定すると、ボランティアが電話越しにその記事を読み上げる。電話を使うことで、利用者は知りたい情報に早くアクセスできる。

 電話朗読は土日祝日の午前10時から午後4時までで、ボランティアが図書館朗読室に2人常駐する。図書館に登録した20~70代の約60人が当番制で担う。利用は、図書館内に資料があることが条件となる。

 利用の仕方は、図書館の代表番号にかけ、朗読ボランティアに読んでほしい資料を伝える。館内を探す時間に10~15分かかるため、一度電話を切る。ボランティアから言われた時間を見計らって電話をかけ直し、資料が館内にあった場合は朗読してもらえる。平日はボランティアが不在のため対応していない。

 市立図書館によると、日付やページを指定できる新聞や市報の朗読依頼が目立つという。朗読では、すぐに知りたい情報や、点字などに対応していない文章を読むことができる。電話朗読で、来館しにくい人も利用しやすくなった。

 市立図書館では、2000年1月からボランティアが対面朗読を続けている。昨年、視覚障害の利用者から「来館することが難しい。電話で朗読してもらえれば」との要望があり、今年4月から電話朗読を始めた。ボランティア歴15年の倉町秀男さん(79)は「何か役に立てればという気持ち。ありがとうと言ってもらえるので、それだけでうれしい」と語る。

 県視覚障害者団体連合会の森きみ子会長は「堅い情報だけでなく、スーパーのチラシなどその日に読まないと意味がない情報もある。視覚障害者は外出自体が大変な場合もあるので、電話で聞けるのはとてもいい。文字が読みにくくなった高齢者にも役立つのでは」と話す。一方、「取り組みを知らなかったので、もっと多くの人に知ってほしい」と周知不足を残念がる。

 市立図書館は朗読ボランティアを募集中で、来年1月21日から全4回の養成講座を開く。申し込みは12月15日まで。中島文子係長は「図書館の役割として、文字が読みにくい方に即座に情報提供したい。誰かの『目の代わり』になるボランティアを始めませんか」と呼び掛ける。

 サービスの利用、講座の申し込みは電話0952(40)0001。

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