江口末秋被告(71)に判決が言い渡された20日、裁判員の男女4人が会見に出席した。高齢化や核家族化が進み、誰もが家族を介護する立場になり得る現代で、同情を禁じ得なかった心境を吐露した。

 4人は祖父母や両親の介護問題に直面した経験があるという。審理で悩んだ点について、30代女性は犯行の経緯に共感できる側面があったと話し、「悪いけど悪くない。相反する気持ちで苦しかった」。50代男性は「客観的になるのが難しかった。判断するのがわれわれでいいのかと、かなり悩んだ」と振り返った。

 公判では、被告が真面目な性格ゆえに思い詰め、心中に至った過程が明らかになった。40代男性は「本人の性格や思い込みの影響も大きかったと思う。介護者に一歩踏み込んだケアをする態勢づくりが必要」と受け止めていた。

 被告は刑の執行が猶予され、逮捕から1年2カ月ぶりに釈放された。「自殺を考えず、残りの人生を自分のために穏やかに送ってほしい。奥さんもそう望んでいる」「前向きに生きてほしい」。4人は男性の更生と平穏な日常を願った。

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