通算25期目の名人位を手にした才田信之名人=佐賀市の旅館あけぼの

惜しくも名人位を逃した牟田有之介四段=佐賀市の旅館あけぼの

3局ともに熱戦を繰り広げた才田信之名人(右)と牟田有之介四段=佐賀市の旅館あけぼの

 アマ棋士の佐賀県ナンバーワンを決める第40期佐賀名人戦(佐賀新聞社主催、日本将棋連盟佐賀支部・佐賀名人戦実行委員会主管)の挑戦手合三番勝負が18日、佐賀市の旅館あけぼので開かれ、第39期名人で永世名人の才田信之五段(50)=佐賀市=が牟田有之介四段(15)=佐賀市、昭栄中3年=を2勝1敗で退け、3期連続、通算25期目の名人位タイトルを獲得した。

 

 牟田四段は大会史上最年少の挑戦者で、才田名人と牟田四段の対戦は7月にあったアマ将棋名人戦県大会決勝以来。その対局では牟田四段が先行逃げ切りで才田名人を下し、県大会最年少で優勝を飾った。

 この日は3局とも才田名人の四間飛車穴熊に、牟田四段が居飛車の急戦で立ち向かった。終盤までもつれた第1局は、才田名人が攻めきって先勝。第2局は牟田四段が力強く迎え撃ち、逆に快勝した。決戦の第3局は、牟田四段が終盤まで優勢だったものの、才田名人が必死の食いつきを見せて混戦に持ち込み、熱戦を制した。

 才田名人は「7月に敗れていたので気を引き締めて臨んだが、力をつけている牟田四段に甘い手をとがめられた」と反省しきりだったが、節目の名人位25期目に「目標としていたのでうれしい。1期でも長く防衛したい」と笑顔を見せた。

 椋露地淳市実行委員長は「牟田四段は才田名人の攻めを丁寧に受けて持ち味を出したが、最後は経験の差が出て一歩及ばなかった」と講評した。

〈挑戦手合三番勝負の全局を後日、本紙将棋欄に掲載します〉

 

■「佐賀で1番目指す」牟田四段

 

 大会最年少で名人位に挑戦した牟田有之介四段(15)は、敗れた2局ともに優勢となる局面もあったが、25期目防衛に燃える才田信之名人にわずかの差で届かなかった。

 5歳の頃、父征二さんから習って始めた将棋。小学生将棋名人戦県大会で3連覇するなど着実に力をつけ、今年7月の全日本アマ将棋名人戦県大会では才田名人を下して優勝。勢いをつけての挑戦だった。

 もう一歩の惜敗に「1、3局とも勝てる場面があったのに見逃してしまった。来年また戻ってくる」と悔しさを隠さない。しかし、その実力は本物。三番勝負を観戦したプロ棋士の山本真也六段は「牟田四段は落ち着いて受けが強かった。若いけれど、昔の戦法を知っていたりと研究熱心。いい勝負だった」と熱戦に引き込まれた様子だった。

 公式戦29連勝で旋風を巻き起こした藤井聡太四段とは同じ年齢。プロ棋士への思いはないが、「アマとして強さを磨きたい。まずは佐賀で1番を」と高みを目指す。

 

第3局の指し手

 ▲牟田有之介

 △才田 信之

 持ち時間各40分。後一手30秒。

 

▲7六歩△3四歩▲2六歩△4四歩▲4八銀△4二飛▲6八玉△6二玉▲7八玉△7二玉▲5六歩△8二玉▲5七銀△9二香▲5八金右△9一玉▲2五歩△3三角▲3六歩△3二銀▲2六飛△4三銀▲3七桂△3二金▲4六銀△7四歩▲3五歩△8二銀▲3六飛△3五歩▲同銀△7二飛▲6六角△7一金▲8八銀△7五歩▲同歩△4五歩▲5五歩△3四歩▲同銀△同銀▲同飛△6五銀▲4八角△5五角▲3六飛△3三金▲1八香△3四歩▲7七銀△4三金▲8六飛△3三桂▲6六歩△2五桂▲同桂△7六歩▲6五歩△7七歩成▲同桂△8四銀▲7六飛△5四金▲7四銀△6二金▲3七歩△2四歩▲5六歩△4四角▲3三銀△7七角成▲同飛△2五歩▲8六歩△7一桂▲6六桂△2六歩▲5四桂△同歩▲2八歩△5三桂▲76飛△7三銀引▲8五歩△7四銀▲同歩△6五桂▲6六銀△7七歩▲6八玉△6四桂▲7五飛△5六桂▲5九玉△4八桂成▲同玉△64銀▲6五飛△同銀▲同銀△2七歩成▲同歩△1九飛▲5九金寄△6六角▲5七歩△1八飛成▲3八銀△3三角▲2九金△1七竜▲8四歩△2八歩▲3九金△8四歩▲7五桂△9四歩▲8三歩△同桂▲同桂不成△同銀▲7五桂△7一桂▲8三桂不成△同桂▲2六角△同竜▲同歩△6六桂▲3一飛△4二角打▲4一飛成△5八桂成▲同金△5一金▲2一竜△7八歩成▲9六桂△7七角成▲2八金△6八と▲同金△同馬▲3九玉△3一香▲2九玉△5七馬▲8五歩△7五角▲1八玉△3九馬▲6六歩△同角▲2七銀打△4八角成▲3一竜△1六銀▲同銀△3八馬寄▲1九銀△2九銀▲1七玉△2八馬引

 まで、164手で才田名人の勝ち。

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